
【八丈島×移住】八丈島での、何でもない一日。― とある電気工事士のつぶやき ―
公開日:2026/06/18 05:46
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2026/06/18朝、車に乗り込む。
会社までは10分ちょっと。 信号はほとんどないし、渋滞もない。
会社までは海沿いを走る。 海が青く見える日もあれば、ふと見た山に雲がかかっている日もある。
―ああ、東京にいた頃は。
満員電車に揺られながらスマホでメールを返してたな。 朝からずっと気が張っていた、あの頃。
今はというと、 頬に当たる、決して弱くない風と 空にかかる雲の流れの速さをチラ見しながら 「今日の飛行機、飛ぶかな・・」などと考えている。
どっちがいいとか悪いとかじゃない。
ただ、今は朝の海や山を眺めながら会社へ向かう時間が好きだ。 仕事の日なのに、少し得をした気分になる。
朝8時、始業。
まずはみんなで集まって、その日の現場を確認する。
そういやぁ、今日の現場は前々から声掛けられていた宿泊施設の照明器具設置だったっけ。
昨日はよく行く飲食店のエアコン修理だったし、 その前まではずっと公共施設の改修工事に関わってた。
そう、島の電気屋は、だいたい何でもやる。
街灯もやる。
住宅の配線も空調も。
時々、「それ電気屋の仕事か?」みたいな相談まで来る。
業者が少ない島だからこそだ。
でもそのおかげで飽きない。
最近は若い後輩と一緒に現場へ行くことも増えた。
最初は工具の名前も怪しかったのに、 今では配線図を見ながら、俺の横で、黙々と自分で考えて動けるようになってきた。
教える立場になって初めて分かったこともある。
人に教えるって意外と難しい。
でもさっきみたいな小さな気づきを得た時は 無性に面白い。
「あ、それで合ってる」
「そこ気付いたか」
そんな瞬間が俺も嬉しい。
入ってまだ2か月。こいつ、正直、筋はいい。
この若さとやる気なら、たぶんそのうち追い抜かれるんじゃないか。
でも、それはそれで楽しみだ。
都会にいた頃の自分なら、そんなふうには思えなかった気がする。
今は誰かを追い越すことよりも、みんなでいい仕事をすることの方が大事だ。
島で暮らしていると、不思議とそう思えるようになる。
そう思いながら見上げた空は、気持ちいいくらい真っ青だ。


便利じゃない。でも悪くない。
12時の昼休み。
今日は会社へ戻った。
午後の段取りを話しながら、買ってきた弁当を食べる。
「自分、この現場早めに終わったんで、午後向こう応援行けますんで」
「じゃあ俺あっちの方回るわ」
そんな会話をしながら午後の予定を決める。
みんな性格は違う。
趣味も違う。
でも不思議と共通していることがある。
みんな島が好きだ。
釣りが好きで移住した人。
サーフィンをする人。
家庭菜園を始めた人。
地域のイベントに顔を出す人。
関わり方はそれぞれだけど、 この島の暮らしが少しでも良くなればいいと思っている。
仕事も同じだ。
午後に行った一般家庭の照明器具修理。
作業を終え、 片づけをしている背中ごしに声が響く。
「あそこ明るくなったね」
「助かったよ」
そんな言葉がすぐ返ってきて、 「終わらせるだけの無機質な現場」じゃないことが なんだか静かにうれしい。
ホント、この島で仕事をしていると 自分の仕事が誰かの暮らしにつながっているのが合間合間に見えるんだ。
島だからこその距離感かもしれない。
もちろん不便もあるよ。
コンビニはないし。
台風が来れば船も飛行機もしばらく止まる。
欲しいものがすぐ手に入らないこともある。
去年の台風では停電も断水も経験した。
正直、電気工事士としても島で暮らす者としても
とんでもない苦労だった。
でも、その時に改めて思った。
この島は、人と人との距離が近い。
困っている人がいたら誰かが声をかける。
足りないものがあれば融通し合う。
そういう空気が残っているのが
なんかたまらないんだよな。


気持ちいい疲れを連れて帰る、そんな毎日を俺は気に入ってるんだ
「おつかれ~」
片手をあげながら事務所を去るころには、西の空が少し赤くなっている。 今日は夕日がきれいかもな。
昔の自分なら・・・。
まだ会社に残っていたかもしれない。
東京にいた頃は、「目の前の仕事を終わらせる」 そればかり考えて、空なんて見上げたこと、なかったかもな。
今は違う。
誘われた釣りに行く日もある。
友人と話す日もある。
何もしないで海を眺める日もある。
不思議だけれど、島に来てからの方が電気工事・・・というか この島でする今の仕事が好きになった気がする。
朝の海も、 仲間との昼飯も、 誰かの「助かったよ」も。
今は全部ひっくるめて、俺の暮らしだ。
そう、 仕事のために暮らすんじゃない。 暮らしの中に『仕事』があるんだ
そんな当たり前のことを、ようやく実感している。
明日もまた、海を横目に会社へ向かう。 たぶん、いつもと同じような一日だ。
でも、その「いつも」が、今の俺は結構好きだ。


このプロジェクトの地域

八丈町
人口 0.63万人

電気があれば何でもできる!八丈島の峯元電気が紹介する八丈町ってこんなところ!
八丈島は、東京から飛行機で約55分の場所にある島です。 海と山に囲まれた自然豊かな環境があり、晴れた日には南国のような景色が広がります。
その一方で、天候の影響を受けやすく、飛行機や船が欠航することもあります。 数日間物流が止まることもあり、スーパーの品物が少なくなることも珍しくありません。
それでも、船が着いて商品が並んだときの安心感や、 自然とともに暮らす感覚は、この島ならではのものです。
観光で訪れる人も多い島ですが、実際の暮らしは決して便利とは言えません。 ただ、その分、仕事や生活が人と人とのつながりの中で成り立っていると実感できる場所でもあります。
不便さも含めて、この島の暮らしに興味を持っていただけたら嬉しいです。
このプロジェクトの作成者
私は事務として働きながら、 求人を越えて、 八丈島の良さを知ってもらいたいと思っています。
島に来て十数年になりますが 八丈島の雰囲気が好きすぎるあまり、 今でも毎日の空や海の景色に飽きることがありません。
風の強い日や天気が急に変わる日もありますが、 それも含めて、この島の空気や暮らしが好きなんだと思います。
東京から南に約300キロの離島暮らし。 もちろん楽しいことばかりではありません。
それでも、 この島で働き、暮らしているからこそ見える景色や、 人との距離感がなんだかとても好きなんです。
SNSでは、移住の“良いところだけ”ではなく、 実際の暮らしや仕事の空気も含めて発信しています。
その中で、 「ここで働いてみたい」 「暮らしてみたい」 と感じてもらえる人と出会えたら とても嬉しいです。



















