
600年の技術を、次の世代へ。——愛荘乃麻に込めた想い
公開日:2026/06/29 00:52
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2026/06/29「興味ある」が押されました!
2026/06/29滋賀県で国指定の伝統的工芸品は3つだけ。近江上布・信楽焼・彦根仏壇——愛荘町はそのうちの一つ、600年の歴史を持つ麻織物産地です。毎年6〜7月に開かれる「愛荘乃麻(あいしょうのあさ)」は、愛荘町に綿々と受け継がれた伝統の麻織物を次世代へつないでいくために「麻」の魅力を発信するイベントです。今回は、このイベントを続けてきた近江上布伝統産業会館スタッフの今若美由記(いまわかみゆき)さんに、お話を伺いました。ぜひ最後までお読みください。
産地でしかできない「魅力的な体験」
「麻の織物がこの愛荘町の伝統産業であることを、もっと皆さんに知ってもらいたい。」 ---今若さんはそう話します。
毎年6〜7月、この会館でひとつのイベントが開かれます。「愛荘乃麻(あいしょうのあさ)」。愛荘町の「愛荘」と、麻織物の「麻」を掛け合わせた名前で、十数年にわたって続いてきました。産地の内と外をつなぐ、大切な入口です。
イベントの中心にあるのが、会館近くの小さな畑で育てた苧麻(ちょま)を使った体験です。当日の朝に刈り取った生の苧麻から、自分の手で繊維を取り出して、糸を作る体験ができます。
「日持ちしない植物なので、その日の使う分だけ刈り取ってきます。まず麻という植物に触れていただく、そういう体験です。」と今若さん。「麻の植物から繊維を取り出して手で糸を作る体験ができる場所って日本中にとても少ないんです。」と続けます。
告知するとあっという間に満席になるほどの人気で、参加者の多くは県外からやってきます。
なぜ愛荘町が織物産地として残ったのか。今若さんはこう話します。「麻の繊維は湿度がないとダメなんです。琵琶湖と山があって、川もあって、湿度が高めのこの土地柄と、仕上げにもたくさんの水がいるのでとても適していました。さらに愛荘町には中山道が通っています。良い素材を関東から街道を使って手に入れて織り、織った麻布を売りに行くこともできた。ここじゃなきゃできなかったんだと思います。」
「良いものを作るには良い素材が必要で、生活の日常品だったものをどんどん質を上げることができた。それが大きなポイントだったと思います。」と今若さん。生活道具だったものが献上品になり、最高級の夏衣料として名を馳せるまでになりました。


伝統と産業の「共存」が、産地の未来を守る
近江上布職人の後継者育成事業は10年以上続いていて、一期生が今では国指定の伝統的工芸品の生産を担い、20代の若手職人も育ち始めています。それでも、地元への浸透はまだまだこれからという状況です。
「地元の方が自然に『あそこ知ってる』って誰かに言ってくれるようになってくれたらいいな」——そのために取り組んでいるのが、伝統と産業の「共存」です。
今若さんは「どっちかしか残れないというのは違うと思っていて、どっちもあることがやっぱりすごく大事だと思います。」と語ります。
手織りの近江上布が持つストーリーを背景に、組合の工場で機械織りの麻生地が現代の暮らしに届く。先日も横浜高島屋では、伝統の技を受けついた手織りの「近江上布」と機械織りの麻生地で仕立てたお洋服が並んで展示されました。伝統と産業が、同じ場所に立っている。「外の人からいいなって言われることが、この地域の方からしたらすごいでしょっていうきっかけになると思うんです。」と今若さんは話します。
「小学校への出張授業は、ずっと続けてきました。でも大人への届け方は、まだこれからです。」と今若さん。「大人の方にも本物に触れていただきたい」——そんな想いから、今年の愛荘乃麻は大人向けの本格体験をぐっと充実させています。
毎年人気の苧麻の体験に加えて、今年はさらに会館の麻生地を使った洋裁レッスン(1日でブラウスやスカーチョが作れます!)、ディオールのコレクションにも携わる講師による生けばな教室、本藍を使った藍染め体験なども用意。どれも「本物に触れる」ことへのこだわりが詰まった内容です。


近江の麻を、次の世代へ
彦根と近江八幡の間、ちょっと山に入ったところにある愛荘町。それでもこの産地へ来ることに意味を感じてくださる方が、県外からも海外からも訪れます。最近では、叶匠寿庵の広報誌や「美しいキモノ」夏号への掲載、横浜高島屋への出展——「近江の麻」が産地の外へ出ていく機会が、増えてきたと今若さんは話します。
「AIや機械化が進めば進むほど、人間にしかできない部分がすごく大きい。」と今若さん。「織ること以外の関わり方も歓迎しています。面白そうなことやってるな、という気持ちで来ていただきたい。」と呼びかけます。
600年の技術が今も息づくこの麻織物産地で、麻に触れてみませんか。
愛荘町では、住んでみたい方やイベントなどに参加したい方を歓迎しています。本記事を読んで少しでも愛荘町に興味が湧いた方は、ぜひ「♡興味ある」ボタンをクリックして詳しい情報をチェックしてくださいね。


このプロジェクトの地域

愛荘町
人口 2.14万人
Yurikoが紹介する愛荘町ってこんなところ!
愛荘町役場が紹介する愛荘町ってこんなところ! 平成18年に2つの町が合併してできた現在の愛荘町は、今年で20年目を迎えます。琵琶湖に流れる川の上流・湖東地域に位置しており、鈴鹿山系からの豊かな清水と自然に恵まれ、古くから水との関わりが深いまちとして発展してきました。
町の東側には、聖武天皇の勅願で行基が開山した湖東三山の一つである金剛輪寺があります。昔から四季折々の雰囲気を楽しめるスポットとして地元の方々をはじめ多くの人に愛され続けている場所です。また、近世には中山道66番目の宿場として愛知川宿が栄え、後の明治には郡役所や警察などの官公署が置かれ、近江鉄道が開通するなど、古くから地方の中心としても栄えてきました。
国の伝統的工芸品に指定されている「近江上布」を中心とした麻織物や、瓶のなかにてまりが入った不思議で美しい滋賀県の伝統的工芸品「愛知川びん細工手まり」など、愛荘町でしか見られない手仕事ならではの「ワザ」が光る工芸品を見られるのも特徴です。
▼愛荘町移住ポータルサイトはこちら https://www.town.aisho.shiga.jp/iju/
















