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【正社員募集】老舗製作所の4代目は元プロボクサー。「ボクシングとものづくり」ふたつの異世界の共通項
◎企業のご紹介
今回は株式会社ヤマトキ製作所さんになります!
◎企業詳細
「必要とされない技術は、廃れていってもしょうがない」
どんな技術も“守る”ことが善とされている気がしていたなかで、ものづくりの当事者が発したこの言葉は深く胸に刺さった。
この言葉は、新潟県三条市にあるヤマトキ製作所の小林秀徳さんのもの。
実は小林さんは、元プロボクサーで現在は金属加工工場の4代目という異色の経歴を持っている。
ものづくりの街、燕三条で生まれ育ったものの、プロボクシングというまったく違う世界に飛び込んだ背景には「自分の名前で勝負してみたい」という決意があった。離れていた時間があったからこそ培われた、小林さんのものづくりへの思いとは。
丈夫さと機能が第一。建築金具の生産を手がける老舗製作所
ヤマトキ製作所は、小林さんの曽祖父の時代から金属製品の生産を手がけてきた老舗製作所だ。かつては、畑に仕掛けるもぐら取りやねずみ取りを主に扱っていたが、現在は建築金具の生産に注力している。
屋根に流れる雨水を下方へと流すための「雨樋(あまどい)」*。
その雨樋を支えるための金具や、屋根の積雪の落下を防ぐ雪止め金具が現在の主力製品だ。
*雨樋…屋根の表面を流れて来る雨水を集め、地上にまとめて落とすための装置
建築金具に求められるのは、丈夫であることと機能的であること。そしてどれだけコストを抑えて効率的な生産ができるかどうかだという。
「建築金具には、1ミリ単位の精密さや見た目の美しさは求められません。なにより安全で長持ちして、安く早くできることが重要なんです。」
丈夫で品質の高い金具をより効率的に作るには、職人の勘と腕が不可欠だ。たとえ同じ種類の金属でも、硬さや厚みはすべて同じではない。扱う材料に合わせて、プレスのかけ方や圧力を変える必要があるのだ。
ヤマトキ製作所の工場内には大小さまざまな機械がずらりと並んでいる。金属をプレスする機械、切り出す機械、穴を開ける機械、溶接する機械……。精度の高い最新の機械も積極的に導入しているが、細かい部分は、いまだ職人による手作業で加工を行っている。機械では絶対に真似できない熟練の技と勘が必要だからだ。
「長年勤めている職人は、叩いたときの音や触れたときの感覚で機械を微調整しています。いわゆる、職人の勘ですね。僕はそれを身につけるために修行の真っ最中です。」
必要とされなければ意味がない。挑戦をいとわない4代目の覚悟
「建築金具だけに頼っていては5年後、10年後に立ち行かなくなることはわかっています。だからこそ、何か他の道を模索しなければなりません。」
しかし、長年培ってきた建築金具に関する技術を捨ててしまうのは、勇気のいる決断ではないのだろうか。
「ひとつの製品や技術に固執するつもりはないんです。誰かに必要とされなければ意味がありませんから。もぐら取りやねずみ取りを作っていたのが、高度経済成長の時代に合わせて建築金具を作るようになった。また違うものが求められているなら、いまある技術を応用して挑戦していけばいいんです。」
金属加工のプロとして、ものづくりの世界で戦っていこうとするからこそ、必要とされないものは無理に守らなくていい。小林さんの話を聞いて、ものづくりの世界における「技術を守ろう」「後世に残そう」という雰囲気はいつも正解とは限らないと感じた。業界の現状や市場の動向によっては、あえて捨てる決断をする必要もあるのではないか。
そして、現在の技術や製品に固執せず、新しいことに挑戦していく覚悟のもと、小林さんが考えているのが「地の利」を活かした新たなビジネスだ。
「燕三条という街ならではの横のつながりを活かして、自社製品の開発ができないかと考えています。今までは受注生産だけでやってきましたが、自分たちから何か発信していかないと。」
燕三条で行われる工場見学のイベント「工場の祭典」では、実際に地元のいくつかの工場と共同で金属製のギターピックを製作した。今後は、自身の経歴を活かしボクシング用品などの製作も視野に入れているという。
「燕三条が『ものづくりの街』として注目を集め、いろいろなメディアで取り上げられたり、若い人が訪れてくれたりするようになりました。『メイド・イン・ジャパン』の看板を背負っていると思うと気が引き締まります。燕三条のなかでも存在感を発揮できるようなものを作っていきたいんです。」
また、小林さんが新しい事業に取り組みたいと考える背景には、建築金具市場の縮小だけでなく、東日本大震災を通して感じた思いがあると言う。
「3.11のとき、僕はプロボクサーでした。ふと、災害が起こって極限状態に陥ったとき、ボクシングなんて見ている余裕ないなと気付いたんです。自分の仕事は人が生きていくうえで必要ない。ヤマトキ製作所が手がけている建築金具にも同じことが言えます。でもだからこそ、なにか社会に還元できるような仕事をしないといけないと、強く感じたんです。」
時代の流れに合わせた新たな挑戦とものづくりによる社会貢献。老舗製作所の4代目の目はすでに、大局的に未来を見据えている。
最後に、小林さんがこれからものづくりの世界で戦っていくうえで掲げる指針を伺った。
「頭ではなく腹で考えること。次の一手をイメージしたとき、腹落ちする方法を選んで戦っていきたいと思っています。」
◎株式会社ヤマトキ製作所一緒に会社を盛り上げてくれる仲間を募集しています!
http://www.yamatoki.co.jp/recruit/
◎続きはこちらから読みください。
https://sanjo-school.net/spblog/?p=698
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◎本記事は、三条ものづくり学校の取材した記事になります。
ボクサーの動きをプログラミングした機械を一般にお披露目
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ちょうどいい田舎、三条市。
新潟県三条市は、新潟県のちょうど真ん中に位置するものづくりの街。
人口は約10万人の都市で、中心市街地にいけばスーパーやコンビニが揃っており
少し車を走らせると山や自然が豊かな下田地域にもいける都会と田舎の側面を持つ地域。
ものづくりの技術は世界から認められており、グッドデザイン賞を受賞していたり、
アウトドア用品の有名ブランドのほとんどは実は三条市が本社だったりします。
三条市をもっと知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!
https://sanjo-city.note.jp/
▼三条市HP
https://sanjo-city.note.jp/
人口約10万人の地方都市・三条市は、鍛冶技術の伝統を受け継ぎながらも、時代に合わせて革新を続けてきた打刃物の技が光る「ものづくりのまち」です。新幹線が止まる燕三条駅から車で約30分走ると、自然豊かな地域・下田郷が広がります。地方都市暮らしも、田舎暮らしも叶えられる一石二鳥なまちです。
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