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「経験が導いた移住の選択」 〜進むべき道は自分の中の積み重ねが教えてくれる〜滋賀大学生の移住者レポート(5)
今回インタビューさせていただいたのは、長浜市大依町に住む杉本泰宣さんです。真言宗のお寺の息子として生まれた杉本さんは福井県出身。大学卒業後、高野山で修行をし、修行後はバックパッカーとして世界を回りました。現在は、合同会社CIRCULATION DESIGN STUDIO CEOとしてご活躍されています。建築士であり、実業家でもある杉本さんがどのような思いを持って長浜に移住されたのかを探っていきます。
小さなコミュニティの可能性を感じたことが、杉本さんが移住を考えたきっかけです。杉本さんのお話から、小さなコミュニティには2種類の可能性があるのではないかと感じました。一つ目は、生活の拠点としての可能性です。2019年から、事業準備のために地方を周っていた杉本さんは、コロナ禍でできた人間関係の疎遠化は、地域のコミュニティの人と人の繋がりによって回復するはずだと感じたそうです。例えば、地域の人同士で、野菜や米を送り合うことや、地域で子供の面倒を見合うこと。そんな昔ながらの繋がりが子育て環境としてとても良く、生活の拠点として魅力を感じた杉本さんは、自分の拠点を地方に置く事を決めました。現在は、長浜を拠点とし、週の半分を長浜で過ごし、もう半分は東京で過ごしています。
二つ目は、ビジネスの拠点としての可能性です。小さなコミュニティが持つそれぞれの特性を活かし、スモールビジネスとして事業化すれば、足を運ぶ人が増え、地域住民も自分の住む地域の魅力を再認識するきっかけにもなるでしょう。そのため、杉本さんは今後地域と地域の人を繋ぐ機会を作りたいと語ります。都会の人や流行りを地域に持ち込んでも、馴染みが無く実感が湧かないため、一過性に過ぎません。野菜作りや田んぼ、野鳥や野遊びなどの共通のテーマで交流することで、刺激になるのではないでしょうか。「その共通点がありつつ、地域の特性が出ると面白い。その特性を生かしたスモールビジネスがどんどん増えれば、足を運んでくれる人も増え、地域が活性化するんじゃないかと思う。」と杉本さん。
事業のために全国の地域を周られた経験から、長浜の地を生活の拠点でもあり、ビジネスの拠点としても考えられているのではないかと思いました。
奥行きの見える生活
杉本さん宅に足を運んだ際、母家が工事中でした。話を聞くと、離れを家として使い、母家をゲストハウスにする予定だそうです。何気なく工事風景を眺めていると、この工事自体も地域社会に溶け込むための工夫の一つであると教えてくれました。 「家が完成してから移住する人がいるけど、移住なんて、入る側も受け入れる側も不安なのは当たり前のこと。お互い様だから、地域に入る側が自己開示をしていかないといけない。週末とか、両親を呼んで、一緒に野菜を育てたり、母屋の改修工事をしたり、そこで色々な人がフレンドリーに接してくれる。その人の『奥行き』が見えると、不安な人も安心。」と杉本さん。それを踏まえて、民宿のための母家と自分たちの住む離れを同時に工事するのではなく、まずは離れから工事し、母家を工事するプロセスを見せるようにしたそうです。地域の人から「何の工事ですか?」と会話が始まり、繋がりが生まれるのでしょう。
杉本さんの言う『奥行き』とは、話してみなければわからないその人の生活感や人柄、考え方だと感じます。活動を見せるプロセスで、他者からの興味をひき、仲良くなることができるのではないでしょうか。離れで生活しながら母家の工事を行うことは、『奥行き』を見せるきっかけになるのだと思います。
建築パースを説明する杉本さん
積み重ねが導いた移住
「今回の移住は人生においてどのような位置付けですか?」という質問に対して、「20代から40代は、仕事をして色々なビジネスをしながら人生経験を積んで、色々考えてきた。それを踏まえて、40代からの20年間は、これまでの学びを外にアウトプットする期間だと思っている。」と杉本さん。移住のきっかけや居住地選び、地域社会に溶け込む工夫に至るまで、杉本さんは一貫して、自身の仕事や人生経験を踏まえて質問に回答をしてくださいました。また、「今後の展望はなんですか?」という質問に対しては、「今思っている事を粛々と続けていくだけ。」と答えています。常に自分で選択し、改善していくことを繰り返し、自分のしたいことを繋げ、積み重ね続けたからこそ、杉本さんの中に進むべき道が明確にあるのだと思います。そして、移住という選択肢にも繋がったのではないでしょうか。
人それぞれ移住に至る経緯は異なります。その経緯こそ、その人が経験してきたことの積み重ねだと思います。その結果が移住ではなかったとしても、積み重ねることで、進むべき道は自ずと見えてくるのだということを杉本さんのインタビューから学ぶことができました。
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私が個人的に長浜市でおすすめしたいのは、琵琶湖の夕景と観音文化です。風景というとありきたりですが、滋賀県には琵琶湖があり、空気がスカッと晴れた日に、琵琶湖に沈む夕陽は本当に見とれてしまいます。普段から見慣れているはずなのに、足を止めてカメラに納めたくなったことが何度もあります。そんな景色、他ではなかなか見られません。
もう一つは観音文化です。普通は「観音さま」と呼びますが、長浜市では「観音さん」と親しみを込めて「さん」付けで表現することがあります。これは、それだけ「観音さま」が人々の身近な存在であったからだと思います。戦国時代の戦禍を逃れるために、川に沈めて手がとれてしまった観音さまや土に埋めていたため一部が朽ちてしまった観音さまもありますが、今もなお、地域住民の方に大切に守り受け継がれています。
長浜市には、ここでは言い表せないくらい色んな資源があるので、少しでもご興味をもっていただければと思います。
びわ湖の東北部に位置する滋賀県長浜市です。
羽柴秀吉が初めての城持ち大名となって開いた城下町です。
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