能登半島@能登町:能登の地酒を世界に!SGDsを実践する5代目蔵元の挑戦。
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公開日:2020/04/01
終了日:2022/03/31

能登半島@能登町:能登の地酒を世界に!SGDsを実践する5代目蔵元の挑戦。

四大杜氏のひとつ能登杜氏発祥の地として知られる能登町。「濃厚で華やか」と称される能登の酒を全国、全世界に広めようと切磋琢磨している宇出津地区の数馬酒造。5代目に就任した若い蔵元の数馬氏が取り組む産官学連携のスタイルは斬新である。日々酒造りに励む若い蔵人たちの原動力となっているのは「能登の未来」を思う気持ちだった。

竹葉のお酒を飲めば、耕作放棄地が減少する。杜氏制を廃止した5代目蔵元が提唱する持続可能なものづくりとは?

明治2年創業。能登町宇出津に位置する老舗の酒蔵「数馬酒造」
仕込み水には旧柳田村の湧水を使用し、酒米も地元の契約農家から仕入れるなど、素材すべてがメイド・イン・能登のお酒「竹葉」。5代目蔵元に就任した数馬嘉一郎氏は30代と若いながらにも老舗酒蔵で能登の「強さ」を体現している姿を対談形式でレポートします!

>「数馬酒造」のお酒はどうやって造られているんですか?
原料となるお米は、能登の契約農家さんと協力して石川県内で登録されている酒米の品種を栽培したものです。なので、使用するお米のほとんどが能登産。これを旧柳田村の山間に湧き出る上質な水で仕込んでいます。それと、世界農業遺産にも登録される能登の自然を守るため、こちらも地元の農家さんと連携して耕作放棄地を再利用した「水田作りからの酒造り」に取り組んでいます。2014年に始まってからこれまで東京ドーム5個分の耕作放棄地が水田になりました。竹葉のお酒が飲まれるほど、能登の耕作放棄地が減っていくという仕組み。「持続可能なものづくり」を目指すためには欠かせないプロジェクトです。

>「持続可能なものづくり」ってなんですか?
酒造りは「米」と「水」という自然の恵みがあってこその生業(なりわい)です。僕たちはこの限りある資源をシェアし、循環させ、次世代に繋げていくことこそが、酒造りに関わる者としてのあるべき姿であり、使命だと考えています。そのためには耕作放棄地の再生をはじめ、雇用の創出、地域の活性化など、地域が抱える問題を解決しながら、持続性のあるものづくりの環境を整えなくてはいけません。資源、時間、人材、価値観など、あらゆるものを地域間でシェアしながら、どこにもひずみのない循環型のものづくりを目指していきます。

>循環型のものづくりといえば、農業と畜産業とコラボしてお互いの資源を循環させた「能登牛純米」も発売しました。
米作りで発生するもみ殻を畜産業が堆肥に加工して、それを水田に返して農家の方たちがお米を育て、僕たちが磨いた米ぬかは牛の餌として活用されます。使用するのは食用米である「能登産ゆめみずほ」。生酛造りで醸したお酒になります。能登の自然と生業が共存しながら、里山里海の資源を循環させていく。それを少しずつ具現化させていくのが、この地での「数馬酒造」の役割だと思っています。

>醤油づくりも始めたそうですね。
はい。じつは「数馬酒造」のルーツは、明治以前に創設された醤油蔵にあるんです。その醤油蔵の移転に伴って、廃園となった保育園を醤油蔵に改装しました。能登の耕作放棄地で栽培した小麦と大豆を使って、能登産と手作りにこだわった醤油づくりを目指しています。2019年の春に仕込みを始めるので、皆さんのお手元に届くまでにはもう少し先。そのほかにも廃園になった保育園や耕作放棄地のように、能登に眠っている遊休資産を再価値化して、新しい価値のあるものを創り出していければと思っています。

>2015年にはそれまでの杜氏制を廃止して、社員が一体となって酒造りをする醸造体制に切り替わりました。
能登杜氏のお膝元ということもあって、実際に色々なご意見をいただくことがあります。僕自身、決して杜氏制に反対しているわけではないのですが、社員が働きやすくやりがいを感じる環境を作りたいという気持ちが強かったんです。現在、醸造社員の平均年齢は30歳。会社が考える組織図に人を当てはめるのではなく、集まってきた人たちの個性を生かした組織を作り上げる。そして、若手が活躍できる労働環境や設備投資を積極的に行うことによって、培われた技術や人材が持続可能なものづくりの礎になればと考えています。

数馬酒造の蔵人たちと数馬氏(中央)

数馬酒造の蔵人たちと数馬氏(中央)

廃園になった保育園で醸す醤油

廃園になった保育園で醸す醤油

ものづくりをクリエイティブに!農家や畜産、漁業とのワークシェアもOK。

県内の大学生が能登半島を舞台に、酒造りの開発から販売までの全過程に携わって、若者世代に向けた日本酒「Chikuha N」を発表する「N-Project※」。あくまで学生をサポートする役回りですが、第1期のリーダーが現在「数馬酒造」の社員として酒造りに励んでいることを考えると、この活動はしっかり能登に還元されているんだなと感じます。毎年、学生との年齢差が広がっていくのが悩みの種ではありますが…(笑)。ちなみに第5期目となる「Chikuha N 2018」は、発売して3日で完売しました。

※「若者が能登も農業も日本酒も盛り上げる!」をコンセプトにした学生主導の日本酒プロジェクト。数馬酒造をはじめとする能登の企業の支援のもと、耕作放棄地の開墾、完全無農薬の米づくり、仕込み、商品開発などをコンテンツ化し、能登の新たな魅力を発信している

若い社員が挑戦しやすい環境を整える。そういった意識は常にあります。できるだけ自由に、ワクワクしながら働いて欲しい。たとえば今年は醸造社員ひとりひとりが、自分自身が考える最高のお酒をタンクに仕込みます。完全にオリジナル。消費者が求める味を重視した酒造りも大事ですが、そればかりだとマンネリ化してしまう。ものづくりにはクリエイティブな思考も必要なんです。

考える前に行動を…。これは自分にも言い聞かせていることなんですが、じつは現実よりも頭の中で起こっていることの方が複雑で、行動にすると意外とシンプルだったりします。あと、能登町は若者にとって、チャレンジしやすい土壌だと感じています。なにかしようとしても都会だと埋もれてしまう可能性が高いけど、田舎であれば良くも悪くもすぐに目立つ。若ければなおさらです。これって、正当な評価を受けられるチャンスが多いということで、僕自身も色々なメディアに取り上げてもらってビジネスの視野が広がりました。

一緒に持続可能なものづくりに挑戦してくれる方、広く求めます!

「数馬酒造」では、どんな人材を募集していますか?
アイデアが豊富で遊び心のある人。年齢を問わず、一緒に会社を作り上げるくらいの意気込みがあれば尚良しです。とくに採用人数や時期は決めていないので、入社したいという熱い気持ちがあればいつでも対応します。農家や畜産業などの第一産業とのダブルワークも歓迎。これからの時代はそうした雇用のシェアも必要だと思っています。

クリエイティブな思考を生み出すには「余剰」が必要。僕が社長になってまず見直したのが就業時間。会社として休日を増やしました。社員ひとりひとりの労働時間はかなり減ったと思います。キツイ、という酒蔵のイメージから脱却したかったのも理由のひとつですが、なにより心と体に余裕がないと良いアイデアは浮かびません。しっかりと休んで、考える時間を作ることも良いものづくりには必要なこと。賃金水準を高めていきながら、時間と働きやすさも還元したいという気持ちがありました。

5代目蔵元 数馬嘉一郎氏

5代目蔵元 数馬嘉一郎氏

プロジェクトの経過レポート
2021/07/22

能登式SGDsを酒蔵経営で実践。蔵人の採用も再開を予定しています!

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株式会社日経BP社様から出版の「六方よし経営 日本を元気にする新しいビジネスのかたち」に、弊社を掲載いただきました。

藻谷ゆかり様著書の第2章『既存事業と地域を活性化する「六方よし経営」』の中で、SDGsに取り組む企業事例として弊社をご紹介いただいております。
お手に取っていただけましたら幸いでございます。

事例① 20代で事業承継し、見事な「六方よし経営」を実践
数馬酒造株式会社 石川県能登町
突然の事業承継で、ゼロからのスタート/能登産の酒米にこだわる/地産地消の日本酒を、県外や海外へ販売できる理由

おかげさまで、蔵人の採用も再開する予定です。
女性も永く勤めることができる組織を目指して日々奮闘中の数馬酒造。代表の数馬氏は「男女問わず若い世代の蔵人挑戦もどんどん受け入れていきたい」とのことなので、興味があれば問い合わせください(^^)

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能登町
移住コーディネイター 森進之介が紹介する能登町ってこんなところ!

大小様々な港町・漁村・農村が点在(約193!)する能登町。北前船の寄港地として栄えた港町や小さな農村・漁村が混在し、カラフルでグラデーションのような文化は世界農業遺産に認定された能登半島独特となります。
集落ごとに異なる文化や行事は多様な暮らし方を支えており、僕は港町に住んでいますが山菜やたけのこ・コケ取りに海藻やイノシシなど食材の宝庫です。
能登半島は日本海のイメージが強いかもしれませんが、能登町は富山側の内海になるので穏やかな気候なので、船を出して釣りをしたり、最近では子どもの里海体験プログラムとして能登の海遊びをなんとかできないか奮闘中。

移住コーディネイター 森進之介
能登町定住促進協議会
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埼玉には東蔵という、酒蔵が敷地内で蕎麦屋をやっている所があります。能登で、やれたら最高だなぁーと思ういち蕎麦屋です。
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コメントありがとうございます!この記事は直接募集ではなく、能登の酒蔵の取組を知っていただきたいと思いレポートしました。実際、社員募集を開始する予定と聞いているので追加レポートで募集内容をUPする予定です。ご指摘いただきありがとうございます^_^
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記事の冒頭に記事の目的を一文入れていただきたいです。私は単純に食べ物に関心が強く、地酒造りや販売に携わるとかも関心あり、興味ありを先に押しました。ただ、記事を読み始めると長くて、何を募集しているのかを理解するのに時間がかかります。酒造会社でも積極的な方を受け入れているけど、メインの目的はこの記事を頭から読ませることにより、会社か地域のPRしたかったということでしょうか。
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