大津市北部の暮らしを紹介します vol.1 比良水 坂井さん(その1)
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公開日:2024/04/30
終了日:2025/03/31

大津市北部の暮らしを紹介します vol.1 比良水 坂井さん(その1)

 16年前に夫婦で京都市から大津市に移住し、比良山系の恵みの1つである湧水を販売している坂井夫妻、さちこさんとたすくさんのお2人に、SMOUTライター三輪(以下 三輪)が移住の経緯や水・環境、地域のコミュニティなどのテーマでお話を伺いました。
 お2人は、「株式会社 江洲 比良の水」という比良山系の水系から生まれる天然水を非加熱で仕上げたナチュラルミネラルウォーターを製造販売する会社を経営されているだけでなく、水の販売事業や環境保全につながる活動を行っています。
 2022年から水の販売事業とは別に「日用品の店ヒラスイ」とういう店舗を会社の敷地内にオープンし、日用雑貨販売を通して地域住民との新たな接点が生まれる拠点つくりを始めました。

母から事業を引き継ぎ、移住を決断

ーーーー三輪:水が豊かな滋賀県において、さまざまな移住先の選択肢があったと思うのですが、湖西を選んだ理由は何ですか?

さちこさん:率直にいうとこの水販売事業を始めたからかな。

ーーーー三輪:事業を始めるにあたって、元々この地域と繋がりなどはあったのですか?

さちこさん:最初は母と一緒に会社を創業して、代表は母だった。その時は別の仕事もしていたから、少しだけ手伝うつもりだったんだけど、どんどんこっちでの仕事が主になってきた。はじめは移住のことは考えていなかったんだけど、段々この事業に割く時間が増えてきて、京都から通勤するより、湖西に住んだほうが良いなと思って移住することを決めたんだよね。

ーーーー三輪:お母様と一緒に始められたのですね

さちこさん:そう。元々、母と事業を始める前から、ここで水の販売事業をされていた方がいた。保健所からも非加熱で販売して良いという許可が出ていたりして、でもその方が事業を辞めることになって、ご縁あって母が事業を始めることになって。

ーーーー三輪:お母様から事業を継承しようと決断された理由を教えてください

さちこさん:創業当初から特に役割とかは変わっていなくて、話した通り最初はお手伝いをするくらいの感覚で始めた。だけど、始まってみたらほぼ私がやることになって、代表は母だったけど、事業を運営するのは私がやっていた。だから、事業継承することになったからといって、特に何かが変わったわけではないんだよね。

湖西の水へのこだわり

ーーーー三輪:加熱殺菌した水と濾過した水での味の違いはなんですか?
さちこさん:主観になってしまうけど、まろやかな気がする。中には科学技術を使って大量生産できるようにしているところもある。だけどうちは、できるだけ人間の手を加えない、山からの水を使ってるから、私たちの手で味を変えられない。だから環境問題にも取り組まないといけないなと思った。

ーーーー三輪:比良水の特徴について簡単に教えて下さい
さちこさん:比良水の硬度は軟水とされていて、WHOは硬度が60mg/L 未満を軟水と定めてる。日本の水道水の平均硬度は約50mg/L って言われてるんだけど、比良水は20.3mg/L で数字的に見ても柔らかい。

ーーーー三輪:地域の自然環境によって水の味も変わりそうですね

さちこさん:そうやね。天然水って言っても地域によって変わってくる。地域それぞれの地層によって、染み込んだ水が土壌にろ過されるスピードとか蓄積される時間も変わってくる。マグネシウムやカルシウムとかの値が高くなると硬水になる。飲み口もやっぱ鋭いし、日本人が飲み過ぎるとお腹壊すみたい。

ーーーー三輪:水を採取する上で良い条件の環境などはあるのですか。

たすくさん:山の上に人工物がないのは勿論だけど。土壌の状態も関係してきていて、比良山だと広葉樹が多いから土壌の状態は良い。日本は人工林ばかりで樹木の品種が少ない。土の質は、どちらかといえばいろんな樹種があって、ブナみたいに水をたくさん蓄える木とかが多いと良いのかな。だから広葉樹が沢山あって、枯葉が落ちて、その枯葉を餌にしている虫や微生物がいるみたいな。やっぱりそういう環境の方が、より土壌としても良くて結果的に良い水が出てくるようになる。

水の販売から環境保全への広がり

ーーーー三輪:お米を育てているのは里山の保全ひいては水の豊かさを残すためですか?

さちこさん:そうそうそう。田んぼをやっていたら水の良さや大切さを改めて実感できるというか。田んぼってこんなに水使うんやなって思う。

たすくさん:毎日水入れる時期もあるし、1番山に近い田んぼやから、ほんまに山から綺麗な水が流れてくる。
 
ーーーー三輪:稲作を始めたことで、地域住民との繋がりなども広がりましたか?耕作放棄地が増加している昨今で、農地の所有者の方々との関係性などについて教えてください

さちこさん:楽しいよね。農地の持ち主さんは、水田を活用してくれるのが嬉しいみたいで、そこで地縁の人々と繋がっていけるっていうのは楽しい。田んぼやっていると、田んぼやってくれて、ありがとうって言われる。

農業をスタートしたことをきっかけに、地元住民と地域外の人々をつなぐ存在に
 
さちこさん:うちらが農業をやっていることで、地域外の人が「田んぼやりたいんです、畑やりたいんです」って相談しに来るようになった。初めましての人が、何かあったらヒラスイに行ったらなんとかしてくれる。って聞いて来たりする。
でも、そうやって来てくれて人には、「ほな、探すわ!」って地元の農業委員さんとかに相談して、地主さんと繋いだりしている。実際そうして、農地を見つけることができたんだけど、農業委員さんに「隣の田んぼも空いてるし、使ってくれたら地主さん喜ぶで」って言われて、また別の人に紹介したりして、2枚分の農地の担い手を見つけることができた。

ーーーー三輪:田んぼは、地縁の人たちの大事な資源として捉えられていて、移住者や地域外の人が農地を借りるにはハードルが高いのかと思っていたのですが

さちこさん:確かにそれはある。でも私たちが借主と貸主の間に立つことで、地主さんに安心してもらっている。1年前くらいから、少しずつ農業委員さんと関わるようになってからそういう話をするようになった。16、7年はここの地域で事業をやっているから、私たちの存在をみんな知っていたから、信頼してもらっているのもあるかな。 

環境に負荷をかけない農業

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大津市に移住し、比良山系の恵みの1つである湧水を販売している坂井夫妻(取材:SMOUTライター三輪)
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 大津市は、比良・比叡の山並みとびわ湖に代表される自然と、様々な歴史の舞台となった豊かな文化財を有する歴史と文化に彩られた都市です。
 滋賀県の県都として、市外の方からも評価をいただき、現在も転入超過※を続けている「選ばれるまち」です。
※転入者数が転出者数を上回っている状態

【大津市が選ばれる理由5選】

01. 大都市への利便性の良さ(JR京都駅まで9分、JR大阪駅まで40分(JR大津駅から))
02. びわ湖の癒しを感じられる生活
03. 大都市に比べて物件が取得しやすい。
04. 豊かな教育環境
05. 通える田舎暮らし、週末田舎暮らし

大津市企画調整課
大津市政策調整部企画調整課
滋賀県大津市は、転入者数が転出者数を上回る社会増を続ける“選ばれているまち”です。 都会派、田舎派どちらのくらしも叶えられるのが滋賀県大津市です。 【大津市を示すデータ】 ・2016年から社会増を続けています。 ・最も多い転入者は、子育て世帯 【大津市が選ばれる理由】 ・抜群の利便性 (JR京都駅に9分、JR大阪駅に40分) ・住宅が取得しやすい ・びわ湖と山のいやしを感じるくらし
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