青梅の「梅線香プロジェクト」始動!霊園が仕掛ける地域のプロダクト開発

こんにちは、東京都青梅(おうめ)市で大多摩霊園を運営する田辺と申します。

私たちは今春より、霊園の新たな役割を模索するため、霊園を「地域のプレイヤーたちが集まるおもしろい場所」「人と人との結びつきが強まる場所」として育てていくためのプロジェクトを始めています。

その柱となるのが、お盆とお彼岸に開催した「裏青梅マルシェ」。お墓参りがてら立ち寄れる、地域の飲食店や生産者が集うマルシェの企画・運営を今年からスタートしました。

さらに、マルシェの企画をきっかけに生まれたのが、青梅の素材で香りをつくる「梅線香」プロジェクト。「青梅の産物を生かした 青梅オリジナルの商品を作りたい!」という裏青梅マルシェ運営メンバーの声から始まったこのプロジェクトを機に、また新しい地域の盛り上がりが生まれそうな予感がしています。

この記事を通じて、「霊園を地域にひらくためのプロジェクトに関わってみたい」という方と出会えたら嬉しいです。

地域と外部の連携から生まれた梅線香

青梅は、東京駅から快速電車で90分ほど、東京都の平野部の西端にある街です。

古い町並みが残り、東京都にありながら山や川など自然も豊かで、キャンプや川遊びなどアウトドアの目的に外からも人がやってくる場所ですが、この街ならではのオリジナルグッズや手土産にはまだまだ伸び代があると感じます。

そこで私たちは、マルシェの準備と並行して青梅のオリジナル商品を企画してみることに。「大多摩霊園が携わるのであれば、霊園とも繋がりがあるお線香が良い!」とすぐ話がまとまり、「青梅オリジナルお線香プロジェクト」が始まりました。

線香の起源は古く、いにしえから「煙が人の想いを吸い上げて舞い上がり、煙が消えるとともに魂が神の世界に届く」と信じられてきました。霊園と線香には、切っても切れない関係があるのです。

まずは、香りのプロフェッショナル・合香師を探すところからです。

今回は、マルシェに関わるメンバーからの紹介で、合香師の岩佐一史さんに参加いただくことに。岩佐さんは、日本古来からのお香の文化を現代に引き継ぐ活動をされている方で、多くのお寺やフェラーリなどともコラボレーションしているお香のスペシャリストです。

そんな岩佐さんと一緒に地域の歴史や私たちの思いを紐解きながら香りをつくっていきました。

地名の通り、やはり青梅のシンボルは「梅」。平将門が、梅の枝を地面に挿し「願いがかなうなら咲き誇れ、叶わないなら枯れよ」と言ったところ梅の枝が根付き、青いまま熟さず枝に残り続けた……という不思議な言い伝えが「青梅」という地名の由来なんです。
大多摩霊園の庭園にも多くの梅の木が立っていることから、「梅の香りの線香」を作ることに決めました。

今年は梅が不作でどこも梅不足だったのと、梅の時期が終わりかけていたこともあり、青梅で取れた梅を調合することは諦めかけたのですが、マルシェの発起人の一人である須藤さんが梅農家さんを何件も回って、なんとか梅を調達してきてくれました。

それらの梅から香りとオイルを抽出し、白檀などの高木とブレンド。爽やかさの中にほんのり甘さも香る、上品な梅の香りの線香が完成しました。

できあがった線香は、本当に良い香りがして、いわゆる”お線香臭さ”のようなきつい臭いが薄く、お部屋でお香としても使えるものになりました。社内でも従業員が気に入って、アロマとして普段から焚いているくらいです。

実は私の中で、「線香」と「お香」とが自分の中であまりリンクしていなかったのですが、今回オリジナルの線香を作ってみて、「線香」は「お香」なのだと再認識するとともに、お線香は本来こういうものだったはずでは、という気持ちが芽生えました。

「本当にいいもの」を目の前にして、プロが作ったお線香のすばらしさに感動し、この「香り」にこそ青梅の梅線香を作った意義があったのだと感じました。

青梅のお土産として手に取ってもらうため、パッケージも高級感と可愛さを併せ持つ、目を惹くデザインに。発案から完成までたった数カ月でしたが、想像以上に良いものが出来上がりました。

形として焚くだけではなく、お線香の香りやデザインも楽しむことで、お墓参りや仏壇でのお参りなどにも一段と気持ちが込められるのではないかと思います。

「第2回 裏青梅マルシェ」で初販売。手応えは……

第2回「裏青梅マルシェ」は、秋の彼岸に合わせて3日間開催されました。

大多摩霊園の敷地内に、原木椎茸を育てる内沼きのこ園さんや、地元のお饅頭屋さん、地元成木の川口農園さんの直売店、青梅の地ビールを提供している酒屋さんなど、合計6店舗のブースが出店。さらに、お墓参りに訪れた家族連れなどがゆったりと時間を過ごしていただけるよう、テラスにテーブル席を作りました。お墓参りの帰りにマルシェに立ち寄って青梅の野菜を買って行く人や、飲み物やお菓子を買ってゆっくりとテラスで話を楽しんでいくご家族も。

そんなマルシェの中で、梅線香の初販売が行われました。
香りを体験してもらえるようたくさんの梅線香を焚いたところ「いい匂いがする!」と立ち寄ってくださった方も多く、めずらしい青梅の香りを気に入って、お墓参りの帰りに家族のお土産に買っていく方も。

多くの方に香りを体験していただき感想を聞けただけでなく、出店者の方からも「霊園だけでなく青梅のお店に置いたら、お土産として人気が出そう」「かわいい紙袋を用意して包装を工夫したらいいかも」とさまざまなアドバイスが。

「出店者のお店とも連携して梅線香を広めていこう」と未来につながる話も出て、プロダクト開発のたしかな成果を感じました。

地域の香りが新たなご縁を生み出すプロジェクト

「梅線香プロジェクト」も「裏青梅マルシェ」も、まだ始まったばかり。地道に続け、ゆっくりと育てていけたらと思っています。

香りは記憶と密接につながっているもの。お墓参りの時には梅線香を焚いて先祖のご供養をし、家で同じ香りを焚くことで、先祖のこと・家族のことを思い出し、思い出がより深いものになるのでではないかと私たちは考えます。そのように「香り」が家族の思い出の媒介となり、新たなコミュニケーションが生まれるツールとなれば良いなと考えています。

地域の人や農家さん、そして岩佐さんをはじめ外部のプロフェッショナルと共につくった梅線香。ゆくゆくは青梅のシンボルである梅の香りを青梅以外の地域にも広げたり、青梅の別の素材を使ったプロダクト作りも進めていきたいです。

オリジナルのプロダクトを通じ、新たな人と地域のご縁が生まれたり、「青梅はいいところだ」と自信を持てるようになったり。そんな広がりに向けた小さな活動を、私たちはこれからも続けていきます。

オリジナル商品の企画・制作・PRなどはもちろん、今後も私たちは、霊園の役割を再定義するプロジェクトにおもしろみを感じてくれる人とのつながりを作っていきたいと思っています。

霊園を地域にひらくための活動に携わってみたい方、ぜひお気軽にご連絡ください!

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青梅市
田辺 直輝が紹介する青梅市ってこんなところ!

青梅は、東京駅から快速電車一本で90分ほど、東京都の平野部の西端にある街です。

その歴史は古く、なんと旧石器時代から人が暮らしていたという説も。室町時代には市(市場)が置かれ、江戸時代には宿場町として発展しました。

そのため古い町並みが残り、東京都にありながら山や川など自然も豊か。ベッドタウンとしての役割も、キャンプや川遊びなどアウトドアの目的地としての役割も併せ持つ、都内ではめずらしい場所です。
東京から西へ電車で1時間。

JR青梅線から北へ。いくつもの山を越ると、霊園のある青梅の北端にひろがる里山エリア・成木地区があります。

山あいにぽつぽつと点在する民家も点在し、自然豊かなエリアです。

田辺 直輝
大多摩霊園株式会社

青梅市を盛り上げていきたいと思います!

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