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- 【正社員募集】産地問屋の新しいカタチ。体験型ショップ「村の鍛冶屋」 山谷産業
◎企業のご紹介
今回は株式会社山谷産業さんになります!
◎企業詳細
コンセプトは、「体験型販売」。
ただ「商品」を購入するだけではなく、実際に商品を試し使いするために、万人へ開かれた場所でもある。
早速、燕三条産の包丁でトマトを切らせてもらうと、切れ味が鋭く、どんなに薄く切っても断面がつぶれないことに驚いた。なにをもってよい包丁と呼ぶべきなのか今までわからなかったが、余計な説明は必要なかった。ただ、一度実際に使うだけで、他の包丁との違いをまざまざと感じることができる。
店舗を経営する山谷産業は、同名のネットショップ「村の鍛冶屋」も店舗同様、包丁やアウトドア商品を扱い、その売上は今期7億に達する。国内外に広く顧客をもち、2017年には大手ECサイト、楽天市場から贈られる「ショップ・オブ・ザ・イヤー」のジャンル賞を受賞した。これは楽天市場に出展する4万店以上の中から、ジャンルごとに選ばれた100社に贈られる栄誉ある賞だ。
山谷産業の変遷について聞くと、ビジネス形態を幾度となく大きく変えてきたと言う。
最初は、全国を渡り歩きながら、漁具の仕入れ販売。その後、EC事業を立ち上げ、包丁をはじめとしたの金物も売るようになり、さらにその後は自社で開発したキャンプ用のペグなどのアウトドア用品までもが主力製品となり、気づけば実店舗までオープンさせていた──。
経営業態の転換は、必ずしも成功するとは限らないのに、なぜ、上手くいったのか?なぜ、卸し売り業から始めて実店舗を開くに至ったのか?
そもそも、なぜ扱う商材をこれほど変えてきたのか?頭のなかを「?」でいっぱいにしながら、社長の山谷武範さん(以下、山谷さん)に話を聞いた。
つくり手と対等な関係を築き、顔の見える商品づくりをしていきたい
山谷さんいわく、良い商品づくりは、職人との密な連携が不可欠だという。
「例えば、カービングアックスの開発は、職人さんの手元に残っていたオノの頭200~300個を何かに有効活用できないか、という話から始まりました。うちの会社で売れていたペグハンマーの柄と組み合わせてつくったところ、予想外に商品が大ヒットしたんです。
刃当ても、良くある素材を使うのではなく、高級感のある革にしました。結果的にはケースを革に変えた分の原価300円ほどの値上げをしたにもかかわらず、ユーザーからは安いと言われたんです。」
商品の開発・改良は、職人とのやりとりから生まれてきたものだ。どれも、物理的に職人さんが近くにいたからこそ、できたことだと山谷さんは言う。
「歩いて10分のところに職人さんがいますからね。インターネットで集めたレビューをもっていって、こういう声があるからこう改良してほしい、と直接顔を見て話ができる。物理的に近いとすぐに商品のフィードバックできるから、とてもやりやすい。良い商品をつくれた理由は、それしかないと断言できます。」
山谷さんと商品を作る職人との関係はあくまでも対等であり、できあがった商品は、職人や工場などの、つくった人の顔が見えるようにしている。
「これまでの職人さんは一般的には頼まれたものを作り、納品して終わりが多かった。職人さんからすると、どんな人が自分が作った商品を使ってくれているのかは、実際にはわからなかった。
それに、この地域の下請けの立場の職人さんたちは疲れているんです。現場でなんらかの理由でコストがアップしたので『値段を上げてくれ』と言っても、ふつう、企業は取り合ってくれない場合が多いのです。発注先との関係が対等ではないんですね。
こうした業界の現状を変えたいと、うちのネットショップでは誰がつくったのかがわかるよう、商品とともに作り手の名前と顔写真を掲載しています。誰がつくったのかが見えると、その人への技術料だとお客さんも分かり、決して安くない販売価格にも納得がいく。結果的に、商品がよく売れる。職人さん良し、お客さん良し、私たちよしの、三方良しになっていると思います。」
「村の鍛冶屋」の次なる夢は、この街を産業観光都市にすること
今後の展開としては、町全体に宿泊所を増やして、長期滞在してもらえるような町づくりをしたいと山谷さんは言う。
「仕事でパリに行ったときに、地元の人に『日本はホテル代が高い、だから長くいられない』と言われました。確かにそうだなと思って。
この辺りには空き家も多いですし、そういった空き家を滞在場所に改築して、お店や工場をまわる拠点にしてってもいいなと。そんな産業観光都市に発展していったら面白いですよね。今の会社でやるのは難しいので、新しく会社をつくるか、まわりの人と協力してやっていきたいです。」
漁具の販売から金物の販売へ。卸売から、EC、そして実店舗へ。
山谷さんの、そして山谷産業の変化は、小規模の会社のそれとしては大きいものだろう。「どれもが勢いです」と山谷さんが語るように、ときには状況に迫られ、ときにはまわりの人にチャンスをもらったり背中を押してもらったりして、とにかく前に進まざるを得なかったこともある。
だが同時に、漁具やペグといったニッチな分野の商品に、いち早くECや体験型の店舗といった手段で攻めたことが、功を奏したのではないだろうか。そこに勢いと、職人や顧客との地道なやりとりと積み重ねが加わることで、山谷産業の今の姿ができていった。
そんな山谷さんと山谷産業の頼もしい姿は、これから家族の事業を継ごうと思う人、自分で事業を始めようと思う人の支えやヒントにもなり得るし、これからの時代の産地問屋のあるべき姿なのかもしれない。
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https://sanjo-school.net/spblog/?p=1097
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◎本記事は、三条ものづくり学校の取材した記事になります。
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ちょうどいい田舎、三条市。
新潟県三条市は、新潟県のちょうど真ん中に位置するものづくりの街。
人口は約10万人の都市で、中心市街地にいけばスーパーやコンビニが揃っており
少し車を走らせると山や自然が豊かな下田地域にもいける都会と田舎の側面を持つ地域。
ものづくりの技術は世界から認められており、グッドデザイン賞を受賞していたり、
アウトドア用品の有名ブランドのほとんどは実は三条市が本社だったりします。
三条市をもっと知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!
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▼三条市HP
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人口約10万人の地方都市・三条市は、鍛冶技術の伝統を受け継ぎながらも、時代に合わせて革新を続けてきた打刃物の技が光る「ものづくりのまち」です。新幹線が止まる燕三条駅から車で約30分走ると、自然豊かな地域・下田郷が広がります。地方都市暮らしも、田舎暮らしも叶えられる一石二鳥なまちです。
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