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- 空き家問題という課題は“地域の資源”/繋がれ!空き家活用に取り組む協力隊の活動とその思い
皆さんお元気ですか?
萩市ローカルエディターの上田です。
今回は空き家活用に取り組む萩人のお話です。
去る3月某日。空き家活用をするために空き家を改修している萩市地域おこし協力隊の3人がウェブ上でトークイベントを行いました。
参加したのは、海を臨む絶景の空き家を取得し、一棟貸しの宿に生まれ変わらせようとしている秋山さん。そして山ごと空き家を取得し、農業体験やアウトドア体験ができる施設を作っている岡本さん、最後にこちらはSMOUTではお馴染み(?)萩市三見地区に空き家を取得し、すでに地域交流拠点「古三堂」を営んでいる広瀬さんのお三方。
今回音頭をとってくれた秋山さんにトークイベントについてお聞きしたところ、「空き家活用はあくまで手段であって、地域の方々が主体性を持って『残していきたい』と思うかが重要であることが見えてきました」そして「家族などの血の繋がりのためだけでなく、人の思いや知恵、歴史といった、地域全体が保有するものを残すための手段として空き家の活用があるということも分かってきました」とイベントの成果を教えていただきました。
地域との関わりから生まれたそれぞれの思い
トークイベントに参加してくれた3名は、地域おこし協力隊の活動を通して地域やそこに暮らす人たちと密接に関わり、三者三様ではありますが地に足の着いた空き家活用を実践しています。そんな3名にそれぞれの空き家活用への思いをお聞きしました。
秋山光里(あきやまみつのり)
秋山さんは自然、文化、歴史がコンパクトにまとまる萩のサイズ感が好みだったので移住を決めたのだそうです。しかし、着任してすぐに新型コロナウイルスの感染拡大。それに伴い観光客が激減。地域の産業が衰退していく様を見て、萩の風景が崩れていると実感するようになりました。
「この景色を次の世代に残していきたい」そんな強い思いが『宿』を基点として地域産業を微力ながら支えていこうという行動に繋がりました。
取得した空き家は萩市鶴江という海街にあり、そこに一棟貸の宿を自らの手で作っています。萩の海を一望できる高台の宿からの風景は、まるで秋山さんの思いを俯瞰で見ているようです。秋山さんはここからの景色を多くの方に届けることで、皆さんに改めて萩の自然や文化、歴史を紐解いて欲しいそうです。
岡本薫(おかもとかおる)
岡本さんは萩市佐々並で空き家を改修し、田舎暮らしの体験を提供する拠点を作っています。目下、田畑を耕し山を切り開いて農作業やアウトドアも楽しめる場所を現在整備している真っ最中です。
今まで曖昧にやろうとしていたことが具体的になったきっかけは、地域の方に農業で相談されるうちに自分のスキルや経験がなんとなく活かされるのかなと思うようになったからだそうで、それが今の“何とかしたい”に繋がってきたそうです。これからも田舎暮らしの技術や文化の伝承を視野に入れつつ、訪れる方々へ田舎のユニークな体験をしてもらう仕組みを作っていきたいと仰っていました。
広瀬耕(ひろせこう)
広瀬さんは萩市三見で空き家を改修し、地域の交流拠点「古三堂」を営んでいます。
本人曰く、古三堂はまだ「途中」だそうで、拠点整備はもちろん、地域の方々との交流にも力を入れています。
古三堂を作ろうと思ったきっかけは、協力隊として空き家の現状や関わり方を模索するうちに自分事として空き家活用に取り組むことが答えに繋がると思ったからだそうです。
「昔の街並みは素晴らしく、何もしないでなくなっていくのがもったいない、これを残していきたい」と広瀬さんは語ります。また「自分が地域に入って何かすることで地域に関係してくれる人が増えていったら嬉しい」とも仰っていました。
広瀬さんはここでの改修やイベントを通して地域内外と繋がりが生まれ、家の見方も変化してきたそうです。これからも地域を巻き込んだ企画をしながらニーズを探っていくと意欲を語っていただきました。
課題は資源
「空き家問題という課題は実は地域の資源」というワードは、今回のトークイベントで出てきた言葉だそうです。
空き家を活用して欲しい人と空き家を改修して何かしたいという人とを繋ぐことで地域は輝き続けられるかもしれない。手をこまねいて衰退していくがままにしておくよりは、積極的に空き家を利活用したい人たちと繋がっていくことで、持続可能な地域経済圏を構築し結果として地域保全を可能にしていければ、それが地域の人々の財産になっていくのではないか…。
秋山さんは「我々の思いを多くの人に知らせることで共感が生まれ、共感の連鎖が大きくなっていけば影響力が大きくなり、持続的な地域活性につながると思うんです。今はまだ小さいですが、そういった事柄に価値を見出した我々(3名の協力隊)もまた、新しい火を灯していけたらと思っています」と最後に熱く語ってくれました。
地域の資産を活かしたさまざまな取り組みをしている秋山さん
これはほんの一部。岡本さんは空き家だけでなく同時に取得した山の開発もしています
空き家活用に関心のある人と繋がりたい
秋山さんたちはSMOUTを通して、都市部の空き家を活用して何かプロジェクトを立ち上げている方と話してみたい! と仰ってました。また海外の空き家活用に詳しい方や田舎暮らしに興味がある方とも出会ってみたいそうです。秋山さんたち3名と話してみたい!会ってみたい!! と思う方はぜひメッセージを。ワタクシ上田がお繋ぎいたします。
いかがでしたでしょうか?
萩市で空き家活用に取り組む3名に共感した! 興味を持った! という方はぜひ【興味ある】ボタンやメッセージをください。もちろんそうでない方からも、いいね!と思ったら【興味ある】ボタンやメッセージをお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします!
以上
萩市ローカルエディター 上田がお伝え致しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
広瀬さんの地域交流拠点である「古三堂」では様々なイベントが行われています
萩市地域おこし協力隊のOBでもあるヨシダキカクさんに司会をお願いしトークイベントは行われました
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山口県の北部に位置する萩市は、江戸時代には毛利氏が治める長州藩の本拠地でした。さらに江戸末期から明治期において多くの偉人を輩出したことで知られ、その歴史ある町並みの中には、国が定める重要伝統的建造物群保存地区もあり、現在でも古地図を見ながら町歩きができるほどです。また食においては、自然豊かな地元産の海の幸・山の幸が四季を通して訪れる人々の舌を楽しませてくれます。
東京からのIターン移住者。プロカメラマン、エディター、デザイナーなどのスキルを活かし、萩市ローカルエディターになりました。現在は明倫学舎4号館にオープンした「はぎポルト-暮らしの案内所-」で活動中です。