まるで、まち全体が博物館!! 2024年は『萩まちじゅう博覧会』開催の年!

こんにちは!
萩市ローカルエディターの三枝英恵です。

みなさんは『萩まちじゅう博物館』って聞いたことがありますか?

私は移住してから知ったんですが、その言葉を知る以前に「浜崎伝建おたから博物館」というイベントを見に行った際、偶然その概念を感じる機会がありました。

浜崎伝建とは『萩市浜崎伝統的建造物群保存地区』の略で、138棟もの伝統的建造物に特定された町家や土蔵などが建ち並ぶエリアのことです。

「浜崎伝建おたから博物館」のマップを見ると、誰もが気軽に立ち寄れるお店だけでなく、誰かが住んでいる家も『○○宅』とそのまま展示物の一つとして取扱われていて、「そうか!あの家も、この家も、み〜んな“おたから”なんだ。だから博物館なのか!」と、妙にしっくりきたのを覚えています。

『萩まちじゅう博物館』とは、まさにこれを萩全土に広げたような感覚で、武家屋敷、松下村塾、反射炉、夏みかん、宿場町、須佐ホルンフェルスなど、
まちのあちこちに点在する歴史・文化・自然の“おたから”を、現地でありのままに展示・保存しながら、まちづくりに活用していこうとする取組みのことです。

その動きは2000年頃から始まり、萩開府400年を迎えた2004年には中核施設として萩博物館が開館し、それを市民側から支える団体としてNPO萩まちじゅう博物館が設立されました。そして20周年となる今年、萩市では春と秋の2期に分けて『萩まちじゅう博覧会』が開催されています。

今回は、大学時代に卒業論文作成のため初めて萩を訪れて以来、ずっと魅了され続けているという、NPO萩まちじゅう博物館の山本明日美さんにお話を伺ってみました。

お話のポイントはココ!
🌟『萩まちじゅう博覧会』の楽しみかた
🌟山本明日美さんが惚れ込んだ萩の魅力って何?
🌟秋期はどんな感じで行くの?
<Topic>「萩に夏みかんがあるおかげ」日本初のマーマレードを味わってみた!

暮らしや風景、技や食なども“萩のおたから”。日常の魅力を際立たせたプログラムにご注目

Q.『萩まちじゅう博覧会』とは、どのようなイベントなんですか?

山本さん
訪れる方に『まちじゅうにあふれるおたからをめぐる旅』を楽しんで頂こうと企画したイベントです。
「萩を好きな人が、萩を楽しむために、萩のおたからを活かしたプログラムを作り・旅でつなぐ」をコンセプトに、暮らしや風景、技や食など様々な“おたから”にふれるプログラムをご用意しています。

    
Q.具体的なプログラムとしては、どのうようなものがありますか?

山本さん
例えばあるカフェでは毎日、焙煎&ブレンドしていろんな名前のついたコーヒーを作っていらっしゃるんですが、今回のためにイージーオーダーのような感覚で、自分の好きなブレンドコーヒーが作れる体験を用意してくださいました。ふだんのオーダーに新たな“楽しい”をミックスした面白い体験です。

また、ある旧家では通常は見られないお座敷の公開があったり、美術品の扱い方を教えて頂くこともできます。これは、ご当主が美術史家だからこそできることで、誰もが楽しめる工夫をしてくださっています。奥様も抹茶体験プログラムを用意されていて、由緒ある家柄に合った体験ができるのも見どころです。

    
Q.なるほど。『萩まちじゅう博覧会』にはどのようにして参加したらいいのですか?

山本さん
・人と暮らしに出会う
・技やなりわいに触れる
・食のひとときを楽しむ
・大地と自然に遊ぶ
・歴史と文化を感じる
・まちと風景を巡る

のテーマでたくさんのプログラムがありますので、公式サイトから詳細を見て、ぜひ興味のあるプログラムを見つけて、予約して参加して頂きたいです。

    
Q.今回の体験プログラムはどのようにして出来たのですか?

山本さん
「もてなす人」として協力してくださる皆さんそれぞれが、ふだんの仕事、フィールド、強み、魅力を際立たせるよう考えてくださいました。

    
Q.協力する事業者や団体は、どのようにして集めたのですか?

山本さん
市報やホームページなどで募集しましたが、それだけではありません。
「まちはくミーティング」という会もあって、メンバーの萩まちじゅう博物館長、萩市ビジネスチャレンジサポートセンター長、地元スーパーの店長さんなど、萩で顔の広い方々が声かけしてくださって、人のつながりで増やすことができたと感じています。

    
Q.山本さんは『萩まちじゅう博物館』立ち上げの前から関わっていらっしゃるとのことなんですが、5周年、10周年の時はどうでしたか?

山本さん
はじめの頃は、もう少し堅めのイメージで展開していたかなと思います。
10周年の時は「もう10年経っちゃったんだ」という感覚。関係者の理解はあっても、一般の方には概念がわからない、わかりにくいという方も多くて、まだまだできていない、と手放しでは喜べない気持ちでした。
『萩まちじゅう博物館』という言葉は、説明だけでは伝わりにくいところがあって、萩のまちを一通り経験された後に、“本当にそういうまちだったんだ!”とようやくそこで胸にストンと落ちるところがあります。
そういう一見しただけではわからない、地域に入って関係を作らないとわからないようなところを体験できる機会を作りたいと考え、10周年を過ぎた頃から他の市町のいい取組みも見ながら徐々に、萩でもできる形を模索してきました。

NPO萩まちじゅう博物館の山本明日美さん

NPO萩まちじゅう博物館の山本明日美さん

萩ではこういう建物の奥が“カフェ”だったりします。

萩ではこういう建物の奥が“カフェ”だったりします。

「萩のまち、いいね!」とじわじわ咀嚼しながら、じっくり味わって頂きたい

Q.『萩まちじゅう博物館』の特徴と、博覧会を始めとする楽しみ方について教えてください。
    
山本さん
ふつうの博物館と違うのは、展示物を見せるために集めて建てているわけではなくて、守り育てながら大切にしているところで、その場所にあることに意味があります。
まち全体を屋根に見立てて、実際に人が住んでいるまち全体をまわることで理解する『萩まちじゅう博物館』は、表面的に見るよりも、入り込む方がずっと楽しいですよ。
博覧会の期間中は、地元の人とお話したり、一歩踏み込んだような体験をわかりやすく集めてプログラム化していますので、「萩のまち、いいね!」とじわじわ咀嚼しながら、じっくり味わって頂きたいです。

    
Q.山本さんは「萩」のどんなところが好きですか? 最初に訪れた日のことを覚えていますか?

山本さん
はい。初めて萩に入る時、山の中の道路を抜けたらいきなりまちがあって…
空は広くて川が流れていて、橋を渡ると家がたくさんあって、周囲には山なみがあって……
その時の感動は今でも変わらないですね。
萩に来るまでは、自分のふるさとの景色にあまり感動はなかったんですが、その良さを知ったことで、元々居たふるさとの良さまでわかるようになりました。

    
Q.なるほど。萩での経験が、自分にとっては当たり前だったふるさとの価値にも改めて気づかせてくれたんですね。次回、萩まちじゅう博物館の秋期プログラムはどのようにしていかれますか?

山本さん
春期は22件の体験プログラムを実施しましたが、秋にはさらに拡大して、42件のプログラムを準備しています。
わかりやすいものだけに価値があるのではなく、季節を通じて奥深いところに萩の魅力があると思いますので、それをできる限り表に出していこうと思っています。
そして終わったらおしまいではなく、その後もまた来たいと思ってもらえるような仕掛けをしてきたいと考えていますので、これからも楽しみにしていてください。

    
いかがでしたか?
「わかりやすいものだけに価値があるわけではない」と、なんとかその見えない“おたから”を共有できるよう、日々考え奮闘する山本さん。元々は移住されて来たのですが、誰にも負けない“萩愛”を持っていらっしゃる方の一人です。
萩は古いまちですが、こうして山本さんのような移住者と地元の方が一緒になって、このまちの良さを守り育ててくださっているので、まだまだピカピカと光っています。
それを見ていると、人の心と力が加わって、初めてまちは光るんじゃないかと感じるところがあります。

あなたも歴史あるまちで、じっくり、ゆっくり、人や文化、自然にふれあいながら自分にできることを探してみませんか? あなたがふれたものが「感動」によって光り出した時、それは間違いなく、未来の“おたから”になるでしょう。

由緒あるお座敷で、選りすぐりの名品をケース越しでなく生で鑑賞

由緒あるお座敷で、選りすぐりの名品をケース越しでなく生で鑑賞

<Topic>「萩に夏みかんがあるおかげ」日本初のマーマレードを味わってみた!

今回、山本さんの取材を行なったショップ&カフェ「コトコト」さんでは、春期プログラムで『日本初のマルマレットdeトースト』体験を提供しています。

マルマレット=マーマレードのことで、これは明治26年(1893年)に、萩の医師・松岡勇記が親友の福沢諭吉に夏みかんを贈ったところ、福沢がマーマレードを作ったというエピソードに因んだプログラムです。
萩博物館に保存されている『福澤諭吉傳第一巻』には、松岡勇記に宛てた返礼の手紙にマルマレットを作ったと書いてあることから、これが文献に残っている日本最初のマーマレードということになるそうです。
日本最初のマーマレードは、萩の夏みかんだったんですね!

コトコトの店主、中原万里さんのご主人は、萩でも有名な観光人力車の車夫。その休憩所兼待合室でもあるギャラリー&ティールーム『俥宿 天十平(くるまやど てんじゅっぺい)』で、紅茶に合わせてスコーンと一緒にマルマレットを出し始めたのが24,5年前のことだそうです。
当時の製法さながらに、夏みかんとグラニュー糖だけで作った無添加のマルマレットはお客様から好評で、販売してほしいという声も多かったのだとか。
そして遂に、コトコトのオープンに合わせて瓶詰めも販売するようにってから14年。

「萩に夏みかんがあるおかげ」とおっしゃる中原さんはの爽やかな笑顔が印象的でした。

築200年の町家を改装したコトコトの店内は、洗練されていてお洒落。

築200年の町家を改装したコトコトの店内は、洗練されていてお洒落。

甘さ控えめのマルマレットを、おいしいパンにつけて召し上がれ!

甘さ控えめのマルマレットを、おいしいパンにつけて召し上がれ!

イベント・ツアー内容

開催日程:2024年10月18日~ 2024年12月01日

所要時間:※春期プログラムは終了しました

費用:プログラム別

集合場所:プログラム別

解散場所:

スケジュール
萩市ローカルエディター 三枝英恵
プロジェクトの経過レポート
2024/06/11

❣️全45日間・42プログラム❣️萩まちじゅう博覧会の秋期プログラムが決定‼️

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🤗秋期コンセプトは・・・

「お気に入りをとことん楽しむ!萩を楽しめるプログラムが勢ぞろい」です✨🙌✨

《プログラムの特徴》
◎萩まちじゅう博物館の自然・文化・産業・歴史のおたからを活用した体験
◎秋の季節ならではのもの(自然・景色・食など)を取り入れたもの

萩の暮らしや風景、技や食などの”おたから”にふれるたくさんのプログラムをご用意して、『まちじゅうにあふれるおたからをめぐる旅』を楽しんでいただきます!

どうぞこれからもご注目くださいᕦ(ò_óˇ)ᕤ

🍁秋期日程 2024年10月18日(金)~12月1日(日)🍁

【秋期プログラムはコチラ】
https://hagi-machihaku.com/html/2080/

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萩市
三枝英恵が紹介する萩市ってこんなところ!

萩市は、海・川・山に囲まれ日本で唯一「江戸時代の地図がそのまま使える町」といわれるほど、城下町の町並みが残っているまちです。
2015年には萩反射炉などの萩の5つの資産が「世界遺産」に登録されました。
山と海に囲まれ、「千石台大根・山口あぶトマト・見蘭牛」などの農畜産物のほか、「萩のあまだい・須佐男命いか」などの水産物もあり、いずれも萩のブランド産品となっています。
自然と歴史が豊かな環境の中で、ひとに出会い、ひとを通じ、自分の生き方・暮らし方・働き方を見つめなおす“萩暮らし”、あなたもはじめてみませんか?

移住に関する情報は、山口県萩市移住定住情報ポータルサイト・はぎポルトをご覧ください。
https://hagiporto.com/

三枝英恵
はぎポルト・ローカルエディター

こんにちは!萩市ローカルエディターの三枝です。萩・明倫学舎4号館「はぎポルト」から、地域で輝く人や楽しいイベントなどを紹介しています。わたし自身も東京からの移住者ですので、これからも移住者としての視点も大切にしながら、皆さんのお役に立てる情報をお伝えして行きたいと思っています。

【はぎポルト 開館時間】
毎週火曜日~土曜日
9:00AM~6:00PM
地域のディープな情報や空き家の提供や空き家バンクのご相談、定住相談の窓口として、どなたでも自由にお越し頂ける開放的なスペースです。キッズコーナーもありますので、お気軽にお立ち寄りください。

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