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- 滋賀の奇祭・火振り祭を予習!滋賀県日野町で暮らす
普段は静かな日野の町が、とても熱くなる2日間をご存知でしょうか?
火振り祭(ひふりまつり)は、毎年8月14日、15日に日野町の上野田(こうずけだ)と里口(さとぐち)という地域でおこなわれる祭です。
全国各地に火祭りはあれど、衝撃的な最後を迎えるこの火振り祭。
今年の火振り祭に向けて、これまで数回にわたり祭に参加させてもらった元地域おこし協力隊が、祭の様子をレポートします!
普段はバスが通る道を、100本をこえる松明の行列が!
祭が行われるのは近江鉄道日野駅から1kmほど歩いた、路線バスの通っている道です。
松明の行列は、なんとバスの時間の合間に執り行われます。
初めて見た時は、日常と、この非日常であるこの祭の近さに大変驚きました。
辺りが薄暗くなってきた19時半すぎ、上野田(こうずけだ)の五社神社で松明に火がつけられ、その年の日野祭のお稚児さん3人を中心に松明の行列が祭の会場へ向かいます。
松明の数は100本ほど。松明を持って祭に参加しているのは地域の人たちです。
この松明は1本2m以上もあり、地域の各家々でこの祭のために手作りされています。
行列の途中、火が消えてしまったりすると前後の人に火をわけてもらいながら進みます。
またこの祭には、「ほいのこ」と呼ばれる浴衣を着た地域の子どもたちが参加しており、
この「ほいのこ」が竹の棒(バンバラ竹と呼ばれている)で松明を叩きにやってきます。
(本気で叩きにくるので、うまくかわしたりしないと火が消えてしまうので松明を持っている側も必死です。)
子どもたちがあまりに本気で少しこわくなったりしながら進みます。でも、ただやみくもに叩いているだけでなく、燃えた松明を落とし短くしたり、道路の火の粉を消してくれていたりします。
1kmほどの道のりを、100本をこえる大きな松明を持った行列が進む姿は圧巻です。
松明に一斉に火をつける様子。
松明をたたきにやってくる「ほいのこ」
松明を松の木めがけて投げる!?たくさん木にかかるとその年は豊作!
祭の会場のひばり野へ到着。
松明を持った人々は松の木をぐるっと囲みます。
そして次の瞬間…
「たいまつ、投げよ〜!!」
というかけ声とともに一斉に松明が松の木めがけて投げ上げられます!
木にかかると周囲からは歓声と拍手が!
松明が落ちても、松明が飛び交う中、危険をかえりみず拾って再び投げる人も!
どんどん松明が投げられ、松の木にはいくつかの火のついた松明がかかりなんとも幻想的な景色に。
松の木に松明が多く掛かればその年は豊作になるといわれます。
私も参加させてもらった時は、見事!木にひっかけることができました。投げた瞬間、アドレナリンがどっと出た感覚になりました。昔の方はこうした非日常を作ることで、様々なことを乗り越えていたのだなと体感することができました。
現代でも、この非日常を味わえる貴重な祭だと思います。
松の木は燃えてしまわないの?と心配されるかと思いますが、事前に地元の消防団の方が濡らしていて、火事になったことは一度もないそうです。
そして、祭が終わると、消防団の方がしっかりと消火。
1日目の14日は、毎年そのあとすぐに同じ場所で盆踊りが行われ、さらに非日常な空間になります。
盆踊りは飛び入り参加歓迎で、本気で踊ると景品がもらえたりするので、ぜひあわせて参加してみてください!
お盆の時期に2日間にわたり行われるこのお祭りは、祭に使われる提灯に「魂」という文字が書かれていたりすることから、先祖を迎える「迎え火」と送る「送り火」の行事と考えられているそうです。
また、火を使い害虫(悪霊)を駆除して、豊作をいのる「虫送り」のまつりの意味も持っているそうです。
地域で一丸となりこの祭を滞りなくとりおこなう。日野の町の良さがじんわりと伝わるなんとも非日常な火振り祭。
移住を検討されている方は、町の隠れたパワーを感じとることができる、良い機会だと思います。
一般の方が参加できるツアーも予定されているそうです。
ぜひ一度、現地でしか味わえない非日常を感じてみてください!
松明の行列。どんどん燃やして投げやすい大きさに。
祭が終わったあとは、通り沿いの家々の方がすぐ掃除をされます
松明づくり講習会を見学してきました!
7月末に、火振り祭で使われる松明(たいまつ)作りの講習会があるということで、のぞいてきました!
乾燥させた竹を割り、藁で持ち手を作り、反対側の先から藁を詰めて燃えやすい松明を作る。出来上がった松明は軒先にかかるほど大きくおよそ2.5mほど。
8月14日、15日はこの松明を燃やして祭がおこなわれる広場まで歩き、短くなった松明を松の木めがけて投げ上げます!
ぜひ、一度はご覧になってみてください!
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日野町は、昔ながらの文化や伝統、かつて近江日野商人が活躍した町並みや、曳山、食文化が多く残されていて、町の方がそれを継いでいこうとする気風のある町です。
その一方で移住者も多く暮らし、地域の力として活躍されている方がたくさんおられます。
町のシンボル綿向山の麓に広がる豊かな自然もあり、おいしいお米や近江日野牛、蔵尾ポーク、近江鶏、原産である日野菜をはじめとする野菜など、食材も豊富です。
郷土料理の一つに海がない地域にも関わらず「鯛そうめん」というおもてなし料理があります。そうした独自の文化が小さい範囲で受け継がれている町です。
歩いていると「こんにちは」と挨拶をしあうのも日常の風景です。
暮らすとわかる日野町の良さ。ぜひ、一度遊びに来て町の暮らしをのぞいてみてください!
地域資源を活かしたまちづくりのサポート。(https://ourselfood.jp/)
代表理事の藤田ゆりは日野町地域おこし協力隊OG。日野の伝統料理を継承する会(https://hinoryori.net/)。
(一社)しがごとまるごと協力隊ネットワーク(https://shigagoto.jp/)。
日野まちつなぐ研究所。(https://www.instagram.com/hino.lab?igsh=cTV5N215ZjNuZGhx)
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