地域おこし協力隊を経て、事業を確立。「仕立屋と職人」の歩む道<先輩移住者インタビュー12>

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2025/03/28

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2025/03/27

地域のにぎわいづくりに取り組みながら、定住・関係人口の創出をはかる地域起こし協力隊の累計は全国で7000人を超えます。 任期終了後も長浜を拠点にすることを選んだ男性。協力隊を終えたその後も事業を定着させるには?

★★石井挙之さん★★ 武蔵野美術大学卒後、広告制作会社勤務を経て日本の地域デザインプロジェクトに関わる。その後イギリスに留学しナラティブデザインを研究、修士号取得。2017年に伝統産業を支援する「仕立屋と職人」設立、2018年地域おこし協力隊として長浜市に着任。同任期終了と同時に「仕立屋と職人」を法人化、長浜を拠点として事業を行う。武蔵野美術大学客員准教授・立命館大学客員研究員。38歳。

長浜を拠点とするという選択

2018年に長浜へ地域おこし協力隊として着任し、2020年夏に任期が終了。そのまま長浜を拠点とし「仕立屋と職人」を法人化しました。 大卒後広告制作会社勤務を経て、日本各地でのプロジェクトに参画するため、各地を転々としてきました。ただ、数年では限界があることも自覚していました。だからこそ、この長浜に住み続けることを選びました。一つの地域で「できること」はより広がるはずだと。 もともと千葉のベッドタウン育ちの自分にとって、方言や伝統行事、自然の美しい風景にあこがれがありました。長浜は車で10分20分レベルで琵琶湖や山々に行ける距離感をとても気に入っています。仕事してても「今日は夕日がむっちゃきれい、じゃあ釣りに行こ!」がすぐ実現しちゃうんです(笑)。

●協力隊を経て 仕立屋と職人は、協力隊着任前に仲間とつくった集団です。仲間の一人の渡邉ゆかりと長浜で協力隊に就き、同市の地場産業である絹織物「浜ちりめん」の複数事業者さんの支援に携わりました。3年間全力を尽くし、そして見えてきたのは、自分たちも何かをつくりながら職人と一緒に走り続けたいんだと。 現在、仕立屋と職人は、渡邉をメインにしたオリジナルブランド「シャナリシャツ」の制作販売と、僕がメインに受けているデザイン事業の2本の柱で動いています。シャナリシャツはタンスに眠っている着物を仕立てていますが、浜ちりめんに関わったからこそ生まれた発想です。

協力隊着任時は浜ちりめん産業を支援。展示会等ではブースデザイン&ディレクション
協力隊着任時は浜ちりめん産業を支援。展示会等ではブースデザイン&ディレクション
長浜市内の事業者とタッグを組み、パッケージ等のデザインをプロデュース
長浜市内の事業者とタッグを組み、パッケージ等のデザインをプロデュース

3年間をどうとらえるか

地域おこし協力隊という制度を検討する人も少なくないと思います。極端な話ながら活動費を「3年間の融資」だと考えるとすごい制度だと思いませんか? 自治体から活動費をいただきながら、ブラッシュアップしていくわけです。だからこそ、事業を軌道に乗せる仕組みを作って協力隊任期満了した3年後に活動費がなくなっても自走していける算段も必要になってくると思います。 一方で任期終了後、定住を選ばすその地を去るというケースもありますよね。協力隊になる人って比較的若い人も多くて事業計画を立てるにしても一人だとスムーズに進まないこともあります。各自治体に3年後の自走のためのサポートがもっとあればいいと思うのです。 一方で事業をすることもその地域ともフィットしないという場合だってあります。その場合は、いさぎよく前を向くでいいんじゃないでしょうか。わずか3年でその後の一生は決まりません。ただ、何をするにしても3年ではなかなか成果が出ない。10年経ってわかりかけてくる、というものですよね。僕自身仕立屋と職人が設立から9年目でようやく何か見えてきたという感じですし(笑)。

●協力隊終了後、シャナリシャツのプロモーションなどで長浜から各地へ飛び回る日々。僕と渡邉、各々得意なスキルを飛躍させ、事業を発展させていくというスタイルです。 関東に暮らしていた頃は、夜の街で遊ぶみたいな過ごし方しかしていなかったのですが、長浜では遊びの幅がずいぶん広がったように思います。釣り、カヤック、新鮮でおいしいごはん、お酒……、それぞれのジャンルごとに師匠的存在や仲間がいて、縦横無尽に楽しめるんです。一緒に何かしようよという盛り上がりもあって、周りの方に恵まれていると思います。 仕事のなかに遊びがある、遊びから仕事が生まれる、そういう暮らしができるのが長浜で、僕にとても向いているなあと思います。

仕立屋と職人 https://shitateya-to-shokunin.jp/ シャナリシャツ https://www.store-shitateya.jp/p/00002

※記事中写真はすべて石井さん提供

仕事の合間を縫って琵琶湖へ!
仕事の合間を縫って琵琶湖へ!
「シャナリシャツ」をブランド展開。写真右は渡邉さん
「シャナリシャツ」をブランド展開。写真右は渡邉さん

このプロジェクトの地域

滋賀県

長浜市

人口 11.02万人

いざない湖北 が紹介する長浜市ってこんなところ!

■人の繋がりが強い! 人との交流を大事にしながら生活(仕事・暮らし)したい人にとってはピッタリの地域。移住者を温かく迎え入れる文化もあり、移住後に活躍している先輩方がたくさんいます。

■自然豊か! 琵琶湖や余呉湖、伊吹山など、少し車を走らせたところに広がる豊かな自然。子育てもしやすいエリアです。

このプロジェクトの作成者

プロフィール画像

びわ湖の東北部に位置する滋賀県長浜市です。 羽柴秀吉が初めての城持ち大名となって開いた城下町です。 豊かな歴史と自然に恵まれながら、新しい文化もはぐくむ長浜で、やりたかったことにチャレンジしてみませんか? 移住だけでなく、リモートワークや起業、副業・兼業と新しい働き方も支援します。

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