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- 働き方は自分で決める!!花巻市地域おこし協力隊「あかっちゃん」編その2
皆さま、こんにちは。岩手県花巻市で地域おこし協力隊を担当している栗澤です。
花巻市では、令和5年度から、地域おこし協力隊員が自分で、自身の働き方を選択できるように、現役の協力隊員と一緒になって制度改正や仕組みづくりを行いました。
まず、はじめに地域おこし協力隊の働き方は、主に2つのタイプに分けられます。
①任用型…自治体の有期雇用の職員(会計年度任用職員)として、協力隊活動を行うタイプ
②委託型…自治体と業務委託契約を結んで、協力隊活動を行うタイプ
花巻市では、これまで①の「任用型」のみで運用してきましたが、令和5年度からは、協力隊員が自身の活動テーマやライフスタイルに合わせて、採用時から「任用型」か「委託型」かを選択できるようになりました。
さらに、いったん「任用型」で採用された隊員についても、自分のプロジェクトやライフスタイルの変化に合わせて、市と隊員が活動内容をすり合わせたうえで、「委託型」へと移行できる仕組みとしました。
今回は、前回の記事で紹介した「あかっちゃん」こと赤津有美隊員本人に、委託型に移行したことによる変化やご自身の活動について聞いてみましたので、その内容をお届けします。
※関連記事はこちらからご覧ください。
▼▼働き方は自分で決める!!花巻市地域おこし協力隊「ぼうまい」編その1▼▼
https://smout.jp/plans/11331
▼▼働き方は自分で決める!!花巻市地域おこし協力隊「ぼうまい」編その2▼▼
https://smout.jp/plans/11371
▼▼働き方は自分で決める!!花巻市地域おこし協力隊「あかっちゃん」編その1▼▼
https://smout.jp/plans/11402
時間の使い方も仕事内容も、すべては自分次第!
皆さん初めまして! 「あかっちゃん」こと赤津有美(あかつゆみ)といいます。
成島和紙の手漉き職人を目指し、花巻市の伝統工芸を盛り立てることをテーマに令和4年5月から活動しています。
実は、前回の【「あかっちゃん」編その1】の記事を読んで、「職員目線で見た私って、そんな不安そうに見えてたのか!」と正直驚きました。
困ったものです、当の本人は全くその自覚がない(汗)。
心配かけているようで申し訳ありません!!
しかし、何ということでしょう。
今年4月から満を持して会計年度任用職員から業務委託になった今、周囲の心配とは裏腹に毎日楽しく活動をしています。充実しまくってヤバいです。いゃっほーぉ!!
実は私のもうひとつの顔は、エンタメ系の朗読劇・漫画原作・音声ドラマなどの企画を手掛けるフリーランス10年の脚本家でもあります。
これまでに、正社員・派遣社員・業務委託社員・フリーランス(協力隊1年目を含めるなら、公務員もそうでしょうか)……いろんな就業形態で渡り歩いた結果、自分の性格や生き方に一番性に合っていたのがフリーランスでした。
というわけで、協力隊応募の段階で、活動2年目に「会計年度任用型」から「業務委託型」に移行することは既に決めていたのです。
業務委託へ移行するにあたっての流れは、同協力隊のぼうまいさんが詳しく語ってくれているので、私からは「業務委託型」になってからの変化をお話します。
<変化その①> 業務時間や業務内容を自己決定する自由と責任
決められた時間内の活動が原則である「会計年度任用型」は、市がワークライフバランスをコントロールしてくれます。一方、「業務委託型」は労働時間に縛りがありません。いつまでも働くことができ、いつ止めてもOKです。「今日は夜まで活動を頑張ったから、明日はゆっくり休もう」「今週は執筆の締切が入っているから日中に執筆活動して、協力隊の活動は夜に回そう」など、臨機応変に対応できます。
もちろん、これには「自分を律する意思の強さと責任感」と「市側との信頼関係」がないと実現しません。自分を信頼して下さった市の関係者の皆様には感謝しかありません。
改めて、ありがとうございます!(お辞儀)
<変化その②> 結果にコミットするために必要な仕事能力の大幅アップ!
前回の記事で、担当者の栗澤さんから「あかっちゃんが不安そうに見えた」というコメントを頂きました。その原因になったのは、ズバリ「業務委託契約」です。
その名の通り、「契約」ですから「お互いが必ず守るための約束事」が明記されています。
「会計年度任用型」は、自分が行う活動の責任を市が担ってくれます。
しかし「業務委託型」は、自分の行動の責任を自分が負います。
自分が「やります!」と宣言して契約した内容に関しては、やり遂げる義務が生じるのです。
やりたいことが沢山ある私にはこれを明言することに躊躇い(ためらい)がありました。
自分の頭の中では「やれる!」と思っていることが、契約書を目の前にすると慎重になります。「これ、達成できなかった時、どうなるんだろう……」という不安です。
活動費を返却しなければいけないのか。
出来なかった理由説明や計画変更の調整など、膨大な時間を消費するのか。
無難な内容だけを計画に盛り込むことだって出来ます。必ず守れる契約にするのです。
しかし、それだと自身の成長として意味がないなと感じました。
今の自分に負荷をかけて無理するからこそステップアップできる――そうやって仕事の能力は上がることを、今までの社会人経験で知っていたからです。
「業務委託型」は、自身を社会人として更に成長させてくれる荒療治なのです。
<変化その③> 意思決定から実行までのスピードが圧倒的!
この1ヵ月間は、企画調整や交渉を一気に進めました。
必要だと判断した資材は、決断すればすぐ購入。研修や出張も、申し込みも交通チケットも宿も早々に手配します。
活動予算の管理を自分で行い、自分で使用用途を決めて購入する――このフットワークの軽さが、「業務委託型」最大の利点です。
活動1年目の「会計年度任用型」での苦労は、すでに用途の決められた活動予算をパズルのピースをはめていくかのように使わねばならなかったことです。
「ああ……この使用用途には使わないお金を、この活動に回して使いたいのに……」
そういう状況がとても多く、その予算を実際に使うまでにも様々なルールが存在し、どうしても活動スピードが遅くなります。今思うと、その体感は10倍です。
そんなジレンマを解消するため、「業務委託型」になることは必要な選択でした。
地域での野外活動風景
講師を務めた市民講座の授業風景
現在の活動と、これからの夢と。
ここまでの長文を読んで下さった皆さま、ありがとうございます!
そしてもう少しだけ、見出しの内容を語らせてください(汗)
<現在の活動>
今更ながらですが、私の活動テーマは「成島和紙を中心とした花巻の伝統工芸における新商品開発」です。
その実現のために、様々なことを猪突猛進に進めています!
① 成島和紙の原材料のひとつ・ノリウツギの栽培
4月中旬――和紙のネリ原料・ノリウツギの苗木採取のため、地元有志の他に、北海道・岡山の研究機関や保存団体の皆さんが駆けつけてくれました。
栽培マニュアルが存在しない未知のチャレンジを行っています。山へ植え付けるのは、なんと2年後を予定しています!
② 異分野の工芸品コラボレーション開発
大船渡の協力隊員と一緒に三陸ワカメで布を染色してみたり、地元のほうき職人さんに習って手編みぼうきを作ったり、地元のひつじ農園で刈り取った羊毛を洗って和紙クッションにチャレンジしたり……様々な工芸を掛け合わせた新しい商品を企画開発中です!
③ 成島和紙の生産技術・商品加工技術の習得
昨年は修行1年目でした。出来る行程からゆっくりと教えてもらっています。
コウゾの枝打ち(余計な枝を刈り払う作業)をしたり、蒸した楮の黒皮を剥いだり。
体力仕事もダイエットだと思えばなんのその、やることすべてが楽しい時期です!
今年は他の和紙産地に視察や実地研修を受けに行き、見聞を広めたいと思っています。
④ 成島和紙の普及や伝承活動のための講座開催
去年、講師デビューして、2回講座を開きました。
正直言って先生と呼ばれる実力はありません(泣)。しかし、そこは開き直る(キリッ)。
職人さんから習った技術を、許可を得て広めていくことを目的にしていますので、伝統工芸の「伝道師」としてこれからも講座を開きながら実力を付けていこうと思います!
* * *
冒頭に申し上げた担当・栗澤さんの心配も分かりますね(汗)。
でも私、多分やっちゃうんだと思います。だってやりたいから。
半泣きで楽しく奮闘する姿を、この1年温かい目で見守ってもらいましょう(笑)。
<これからの夢>
アレコレと楽しく書いてきましたが、最後に少しだけ真面目なお話。
この1年間、伝統工芸担当として協力隊の活動を行ってきて、課題に感じていることがあります。
それは伝統工芸の職人さんたちに続く次世代の担い手問題です。
花巻には伝統工芸と呼ばれるものがいくつもあります。その名称に限らずとも、昔から続いている素晴らしい工芸品が溢れる素晴らしい土地です。しかし、それを生み出す匠の技を受け継ぐ次世代が見つけられていません。「ウチの代で終わりかな」「斜陽産業だし、そんなに儲からないから成り手もいないよ」そういう消極的な言葉を、職人さんたちから聞いてばかりいます。
けれど不思議なことに、そう思わない私がいるのです。
私は昔から受け継がれる手仕事が好きで、手漉き和紙に憧れて、この花巻に来た人間なのです。時代は変わり、商売の仕方も変わった今に順応して、まだやれることがあるのは分かっていましたし、やらなきゃいけないなと思っています。
オンライン販売をはじめ、海外に輸出することだって考えていい。
伝統工芸品を今の時代の多くの人に届けること。
それを「コレ作る職人、カッコイイ!」「私もやってみたいなぁ」と思ってくれる人達をひとりでも多く増やすこと。
そうやって、「チャレンジしてみたい!」と声を上げてくれた人のサポートを行うこと。
そんな将来に期待できる仕組みが作りたいな、と思っています。
もちろん実現するには実力不足で、今は夢でしかないのですが、きっと叶うはずだと信じて、
赤津は今日も花巻で、日々楽しく精一杯に生きています(笑)!!!
楮の黒皮剥ぎ作業風景
ノリウツギの苗作り作業風景
【今年も地域おこし協力隊の募集を開始します!!】
今年は「花巻cultivate~あなたと耕す花巻~」(略して「花カル」)と称して、花巻市で活動していただく地域おこし協力隊を募集します。
「花カル」についての詳細は、下記URLからご覧ください!
https://smout.jp/plans/12795
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【花巻市】岩手県のほぼ中央に位置し、花巻空港や新幹線の発着駅があり、交通の便も優れています。
岩手県の県庁所在地である盛岡へも電車や車でスムーズに移動できます。
おいしいお店が多い市街地から少し離れると、気持ちの良い自然を味わうことができます。
花巻・大迫・石鳥谷・東和の4地域で景観や雰囲気も異なりますので、
自分に合った地域が見つかるかもしれません。
主なお仕事
・花巻市への移住・定住の促進にかかわること
・花巻市のシティプロモーション
・地域おこし協力隊
・花巻市ふるさと納税
・婚活・結婚新生活支援
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