子供のためにより良い教育環境を求めて家族で地域に移り住むことを指します。
留学は一般的に一時的な滞在を前提としているのに対し、教育移住はより長期的に地域に居住することが想定されます。

新型コロナ感染拡大に伴う外出自粛などにより親のリモートワークが定着し、
子どもの教育のために移住するという選択肢が、より現実的なものになりました。
また長期休校により急速に進んだICT教育によって、「学び方の選択肢」に
目を向けるご家庭が増えたことも教育移住に注目が集まった一因と考えられます。

著名人の例では、中田敦彦さん、福田萌さんご夫妻がシンガポールへ、小島慶子さんもご家族でオーストラリアへ移住されています。

これまで教育移住というと英語教育や国際感覚を磨くことを目的に海外へ移住することが一般的でした。
特にシンガポールやマレーシア、オーストラリア、ハワイ、オランダなどは人気の選択肢として知られています。

しかしながら近年日本ならではの豊かな自然環境や、少人数制クラスにより実現しやすい先進的・特徴的な
教育環境を求め国内での教育移住を検討する方が増加傾向にあります。

メリット１：子供を中心に教育内容を選択できる
子どもの個性を尊重し、教育内容を選べるのが教育移住のメリット。
子どもの得意なことや好きなことを伸ばせる教育機関を選べる可能性が高まります。
中でも「モンテッソーリ教育」「シュタイナー教育」「イエナプラン」など、特色ある教育方針の幼稚園や保育園、小中学校に関心が集まっています。

メリット２：自然が豊かな環境で思い切り遊び学べる
自然豊かな環境の中で、都心での生活と比べ制限なくのびのびと遊んだり学べることも大きなメリット。
自然の中での遊びには正解はなく、自分で考え、友達と相談しながら主体的に活動することは子供たちの創造力を育むための一助になるはずです。

メリット３：さまざまな地域の人との関わり合いの中で子供も親も育ち合える
都心に比べて住民同士のつながりが強いことも特徴。
地域の大人や高齢者とのコミュニケーションを通じて価値観の多様性や多角的に物を見る力、生活の知恵などの学びを得る機会にも恵まれます。
また人と人とのつながりの中で子どもを見守り育てる安心感を感じられることも。

デメリット1：選択肢が少ない
地域では学習塾や習い事の数が少なく、「こんな習い事をしたい」「こんなスポーツをやってみたい」と思っても、教室が見つからないケースも考えられます。

また通い先が遠方の場合に備え、親による送迎のサポートなども考慮に入れる必要があります。
そのほか医療機関をはじめとした生活インフラの充実度も都心より低い傾向があり、事前に移住先の生活環境をチェックすることは必須です。

デメリット２：学力や受験への不安
地域では家庭学習の選択肢が少ないことに加えて、地域によっては進学先の高校の選択肢が限られるケースが考えられます。
教育移住を希望する際は、高校や大学など学齢が上がった際の進路も含めて検討することが必要です。

デメリット３：想定外にお金がかかることも
移住する地域によってはこれまで住んでいた場所とは生活に必要なものも異なり、想定外の出費がかさむことも。
特に光熱費は要注意です。

合わせて公共交通機関の路線や本数が少ない場合、自家用車の購入費用はもとよりガソリン代や維持費もかかります。
また住居として空き家などを利用する場合修繕にかかる費用も必要になることを頭に入れておきましょう。

教育移住先の先駆者的存在として伊那小学校（長野県伊那市）がよく知られていますが、少人数であることのメリットを活かし、
前述した特徴的な教育方法を積極的に取り入れたり、小中一貫の9年制教育や縦割りクラス編成などにより、
子どもの成長を長い目で見守り丁寧に関わることに力を入れている地域の教育機関も増えています。
長野県内では他にも、国内初のイエナプラン教育を実践している大日向小学校（南佐久郡佐久穂町）なども有名です。

また学園都市などのバックグラウンドを持つ地域では子どもの興味関心を刺激する遊び場やプログラムが提供されているケースも。
合わせて移住に踏み切る前に教育移住のメリットを体験できる地域留学プログラム（森のようちえん・山村留学・里山留学・島留学など）を設けている地域もあります。

色々調べてみてもやっぱり参考になるのは実際に移住をした先輩の話。
教育移住に力を入れている地域では定期的に学校説明会や学校紹介の場を設けたり、実際に移住し通園・通学をさせている保護者の方による相談会を開催しています。

ぜひ「教育移住」や「地域留学」などのキーワードでプロジェクトを検索したり、気になる地域の方に相談してみてください。